直虎3話「おとわ危機一髪」無限コンティニューで勝利を刻め!

2020年2月7日

蹴鞠のボール

とどでございます。

おんな城主直虎、録画して1日遅れで見ました。放送当日は錦織VSフェデラーの熱い試合があったので、そっちを見ていました。多分同じようにテニスの試合を見ていた人も多いんじゃないかな。

視聴率が下がったなんて言われてますが、今回は裏番組の影響も多分にあったことでしょう。

来週は柴咲コウさんが登場するはずなので、視聴率は回復すると予想。でも視聴率より自分の感想の方が大事よねってことで、今回も好きなように語ります。

龍王丸に対するゴリ押しの無限コンティニューは、良くも悪くも猪突猛進のおとわ様らしいポイント。

周りに翻弄される父・直盛

主君の今川の相手も大変だし、じいちゃんは勝手に鶴丸を連れていくし、部下の小野は今川と内通しているから強気で出てくるし、なんていう胃の痛い環境にいる直盛。

強硬派の祖父、謀反をたくらんだ兄、暴走する娘と、なかなかぶっ飛んでる井伊家ですが、直盛は井伊家の中で数少ないまともな人間かもしれません。だからこそ周りに振り回されて大変なんだろうと胸中お察し。

そんな中でも井伊家をなんとか次につなごうとする姿勢は現代でも共感できる人が多いことでしょう。そう、このドラマのテーマは井伊直政までの命がけのバトンパスです。

ともすれば、戦国時代で大名として成り上がるような「創造」に目が行きがちですが、実は「維持」だって大きな力が必要です。IT的な話をすれば、一般的にシステムを導入するときのコスト比は、システムの構築という「創造」部分が3割、システムの運用・管理という「維持」の部分が7割と言われています。コストがかかるってことは、それだけ大変だという事。

維持は地味なようでいて、結構大変な作業なんですよ。機械自体の摩耗や劣化だったり、外部の環境変化だったりと、継続を阻むアクシデントが多々ありますからね。そうした井伊家を次の世代のために維持するという役割を必死に果たそうとする父・直盛、そして直虎は地味だけど大きな仕事をする訳です。

おとわ様、アグレッシブすぎる

今回のおとわ様の行動は賛否が分かれそうな気がする。私は残念ながら、今回の彼女の行動はあんまり好きじゃないかな。

今川義元の息子である龍王丸との蹴鞠(リフティング)対決に勝てば願いをかなえてくれる、と教えてくれたのは佐名の娘である瀬名でした。

その瀬名が望むのは龍王丸との結婚。この辺りは微笑ましくていいんだけど、その後龍王丸との蹴鞠対決で、名乗りを上げようとした瀬名を遮って、飛び出るおとわ様。おい待て。

そして対決を挑んだものの、あっさりと敗北。挑戦権を譲るかと思いきや、「もう1回!」と泣きのもう1回を何度も繰り返すおとわ様。流石に何度も挑まれて疲れたのか、龍王丸が先にボールを落としてしまいます。

鬼の首を取ったように人質解放を望むおとわ様。龍王丸としては流石に物言いをするものの、結局井伊への帰還が認められました。

何と言うかこう、表面上はおとわが解放を勝ち取ったと見せて、実は裏で大人たちがそれぞれの思惑で動いていたおかげでした、みたいなのは分かるんです。じいちゃんもGJだったし。

でもそれにしてもおとわ様、瀬名に対してひどい仕打ちじゃありませんか。少女漫画的に言えば、ライバルの子が「あの龍王丸さまに告白する!」って言ってたにもかかわらず、主人公がその龍王丸にちょっかい出して告白するチャンスを潰す、みたいな。

井伊家の都合で今川に送られて辛い思いをした佐名。その娘である瀬名も、井伊家の姫の都合で割りを食うなんて、後々火種になってもおかしくないような話。そりゃ佐名だって井伊家の人間に「にどとくんな!!」って言いますよ。

もちろん、佐名の話を聞かされたおとわにとっては、よく分かっていないとはいえ今川の人質になるのは辛いことだ、という認識があったのかもしれませんので、井伊への帰還を最優先とするのは間違っていないんだけど。

さらに、自分がすぐ井伊へ帰還すれば、瀬名が蹴鞠をするチャンスが増えるし、勝てば本当に「願いをかなえてもらえる」という実績まで作った訳だから、瀬名へのアシストとも取れなくはないです。問題はその意図を本人に伝えていないことですが。

幼少期の茶番感はこの後とのギャップ狙い

1ヶ月じっくり幼少期のエピソードを描いており、来週になってやっと青年時代に突入しそうなこのドラマ。

この後、史実だと井伊家は大波乱の時期に突入する訳ですが、幼少期ではその片鱗をちょっと見せるくらいでした。おとわの視点で見れば、多分これくらいに感じられたんだなーと思われます。

子供の頃って、なにか大変なことが起きていても、どこか実感がなかったような感じがします。経験もなければ想像力も十分に働かないので、それはしょうがないことなんですけど、このドラマではその感覚を表現したかったのかと考えました。

主人公がおとわである以上、おとわ以外の目線ではそう多く語られません。おとわの目線ではあまり危機一髪感がなくとも、一歩引けば火種だらけなのです。今は今川の対応に追われていますが、すぐ後ろを見ればあの第六天魔王・織田信長がいますからね。大人たちにとっては全く持って気を抜けない状況です。

成長したおとわがこうした世界に入ることで、今までの価値観が変わってしまう、その感覚を視聴者と共有しようと狙っているのかも。

地味に挟んできたアンジャッシュ

当人たちが出演した訳ではないですが、佐名の過去話をおとわに聞かせる際、アンジャッシュ的なすれ違いが見られましたね。

ただ話題が話題なだけに、家族の前で笑うのは若干躊躇われるシーンでした。全国のお茶の間はいかがだったのでしょうか。

ちなみに真田丸の終盤で、「黙れ小童!」で有名なあの室賀の息子としてアンジャッシュの大島児島さんが出演していましたね。「黙れ小童!」返しは名シーンでした。

昇太喋らない説は半分合ってた

先週放送された3話の予告で撃沈しましたが、実際には下々の者の前では喋ってないのでセーフですよ、セーフ!

会話をするということは、その相手を自分と同等のカテゴリにいる者だと認める行為です。他の武将たちは立場の高い低いはあれど、下々の者を同じ人間と認めて会話をしているのに対し、この今川義元は直接声を聞かせることもなく、部下に発言内容を言わせていました。

この形式は、西洋で見られる「預言者」の形式ですね。未来を言い当てる方ではなく、言葉を預かる方です。念のため。

神の言葉を預かる人がいる→なぜなら神の声は直接聞こえないから、という考え方から、今川義元の偉大さを表現していたのでした。戦国時代当時にそうした考え方が浸透していたかどうかは分かりませんが、立場の低い者と直接会話しないことで自分の位の高さ、つまり神のような存在であると表現していたことは、当時の人々にも何となく感じ取れたんじゃないでしょうか。

今川義元の思い上がりっぷりがよく表現されていたシーンだと思います。実際、桶狭間までは勢いがありましたからね、彼。

止めは小林薫氏

オープニングのキャストの順番を眺めていたら、止めは小林薫さんでしたね。一瞬、「あれ? 前田吟さんじゃないのか?」なんて思いましたが、多分南渓和尚の方が長期間出るからですね。

今のところおとわの相談相手として適当な感じの緩い和尚ですが、後半になるとさらに重要な役になるようなので期待。

特に今回は今川のブレインである雪斎とも顔合わせしました。どちらもそれぞれの家の頭脳となる存在ですから、この2人の対比が今後の楽しみになりそうですね。

まとめ

幼少期編はいかんせん尺が足りないので、描写不足が否めない部分も感じられます。でも来週の盛り上がりを期待させるような予告だったので、楽しみにしています。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。