直虎11話。さらば愛しき人よ! 直親と政次、父と同じ道を辿るふたり

2020年2月7日

謀ったな!今川!

とどでございます。

今回はフラグを立てまくっていた直親。このイベントが来るのはもう5話くらい先なんじゃないかと思っていましたが、案外早くここに来てしまいました。

今川への申し開きに向かう前夜に虎松と話す直親は、魔人ブウ編でトランクスに言葉を掛けるベジータを思い出しました。まぁそのあとおとわを側室にする宣言をしていたので感動はちょっと薄れましたが。

あからさまにフラグを立てすぎて、逆に生き残るんじゃないかというのは真田丸でも見られましたが、歴史と言うのは残酷ですね。

今回のキーワードは「選ぶ余地などない」でした。2回は政次が発言していましたが、1回目は直親への信頼からでした。検地の回ではお互いに信じ切れていない様子でしたが、前回和解できたことから、信頼があった上での言葉だったと見て良いでしょう。

しかし2回目は井伊を守るために仕方なく発せられた言葉でしたね。政次の落ち度だと認めてしまえば、あの場でキリステゴメン! されていましたし、その後井伊谷に攻め込まれていたことでしょう。

あの場で政次が出来たことは、今川に従っているふりをしながらなんとか時間を稼ぐことでした。

直親は松平元康との内通を疑われて今川に囲まれました。1話での父と同じ道を辿っています。政次の方も、本人の意志とは裏腹ではありますが、結果として直親を売った形になってしまったので、こちらも彼の父と同じ道を辿りました。回想シーンがまた悲しみを誘いました。

開始3分で救われた瀬名

前回の引きから、「あの馬に乗っているのは誰だ! 誰なんだー!」という期待感が高められました。ムロツヨシ再登場するんじゃね? なんて思ってましたが、そんなことはなく、石川数正が助けに来てくれたのでした。

今までに出てたっけ? みたいな感じでしたが、名前を聞けば納得感。石川数正は、元康(家康)に従っているというよりは、元康の息子である信康に従っているような感じがあるので、何としても助けたかったのだろうな、と想像されます。

とにもかくにも、石川数正の乱入によって瀬名の自刃は免れました。しかし、瀬名の母親である佐名までは助けることができませんでした。佐名は松平の人質ではなく井伊の人質であるため、元康も救うことが出来なかったのでしょう。

娘に「今川を手に入れる」夢を託し、ナレ自刃となりました。井伊の人質だったために、今川に散々な目にあわされたことを思えば、これを夢見ても当然だと思っちゃいます。

動き出した寿桂尼

コワイ。ジュケイニサマ、コワイ。

腐っても今川義元の母ですから、戦国の世を生き延びる知恵はたくさん持っているのです。おばあちゃんの知恵袋です。実戦経験や政治経験がない氏真にとっては、貴重なシンクタンクなのです。

氏真は蹴鞠をする子供を見て、「蹴鞠が上手くできたところで、それが評価されるような時代ではないのだ(意訳)」とこれからの今川家の暗雲を感じ取っています。

自分が子供の頃は、父である義元の庇護のもと、京都の貴族たちの遊びに興じていれば良かったのですが、その義元が討たれた今、安寧のときが終わったことを知りました。

「誰がやったってムリだよこんなの……」なんて弱音を吐きましたが、そこにそっと寿桂尼の毒が流れ込みます。家臣たちもどんどん裏切っているから、裏切る前にその芽をつぶそう、なんてささやかれました。

試される井伊家

そしてターゲットとなったのがご存知井伊家。今川を目の上のたんこぶだと思っていたのはバレていたんでしょうね。松平元康から、鷹狩の誘いなんていう偽の書状が来たのです。今川と手を切りたい直親にとっては、渡りに船でした。

実際に向かってみれば、手に傷のある精悍な顔つきな男が松平元康と名乗り、協力すると嘯きました。視聴者からしたら「阿部サダヲじゃなくてほっしゃんじゃねーか!」なんて思ってしまいますが、直親は元康の顔を知らなかったため、本人だと信じちゃいました。

政次との約束通り、元康(偽)の姿を克明に伝えていたことで、政次が後に駿府に向かった際に「騙された!」と気付くことができました。

汚いなさすが今川きたない。

井戸を囲むのは昔のままの3人

鶴、亀、おとわの3人で井戸を囲む様子が見られました。こうしたシーンを見ると、「あ、もう誰か欠けてしまうのか……」と邪推してしまうのは私の悪い癖なのですが、やはりフラグ立て過ぎではないでしょうか。

幼き日の姿で当時と同じように井戸を囲んでいるのは、こみ上げるものがありました。

昊天さんの言葉は今週も

日日是好日(にちにちこれこうにち)の言葉が今週も使われました。特に井戸の周りを3人で囲んだ日は掛けがえのないものになっていたことでしょう。

この後のことを思うと、この言葉の意味も重いものになってきます。辛い日だって前向きに、ですからね。

政次はまだ裏切っていない(願望)

駿府の今川館に呼ばれ、寿桂尼に問いただされる政次。奇しくも、直親の父、直満と同様に今川以外の家と仲良くしようとしている書状を押さえられてしまいました。

呼ばれたのが政次だったので、裏切り・即・斬とまではいきませんでしたが、罠に嵌められたことに気付きました。そう、直親が会った元康を名乗る男は、今川の手先だったのです。

寿桂尼は「どちらを選ぶのか」と政次が直親と組んでいたこともお見通しでした。あからさまに直親を選べば、キリステゴメン! されていたことでしょう。

結局今川に忠義を持っていることを伝え、なんとか生き延びました。悲しいことに、直親が虎松に伝えた「生きていれば好機がある」という言葉を実践したことになります。

形の上では井伊を裏切ったことになり、そうなることを予言した父親の姿が思い出されます。そうなってしまったことに憤りを感じているのか、欄干を掴む手に力が入っていました。この演技はすばらしい。それにしても吹越さんと高橋さん、似てますね。

今回の後半では、「まずはおどす」と進言していることから、いきなり極端な手段に出ないよう、くぎを刺している様子も見て取れました。

そう、政次は井伊が生き延びる手段を見つけるまでの間、時間を稼ごうとしていたのです。これは裏切ってなんかいないのです。

結婚の約束はフラグだとあれほど

今回は数え役満レベルのフラグの立て方でした。絶体絶命の場所に向かうときに結婚の約束なんてしようものなら、その後悲劇が待っていることは、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実です。

現代的な感覚で見ていると、妻がいるのにおとわに結婚の約束を持ちかけるのはよろしくないように思いますが、彼は戦国時代の城主。側室なんていう考え方もあるのです。

これまでしのが散々な目に遭ってきたのを見ると素直に応援できませんが、それでも幼い頃からの想いってのは大きなものなのでしょう。

おとわも、彼が戻らないと知ってしまったからこそ、彼にできることをしてあげたいと思い「承知した」と答えたのかも。

直親も父と同じ最後を

父親と似た道を辿る、と言う意味では直親も同じです。今川と手を切ろうとした証拠を押さえられ、道中で今川に囲まれることとなりました。1話での直満と同じ道を辿ろうとしています。

今回の話の中では囲まれたところまででしたが、次回はどうなることやら。ファンタジー大河として、名前を変えて生き延びる、なんて感じはいかがでしょう。だめですね。

次回の予告を見る限りでは、いよいよ直虎が「先帝の無念を晴らす!」と家督を継承します。虎松はまだ幼いので、彼が大きくなるまでの間、おとわが井伊を守るのです。ここでも1話のセリフである「いっそお前が城主になるか」という直盛のセリフが回収されました。

これからの波乱もまた見どころ。特に、今度は直虎が渦中にいるため、今までよりも感情移入度や緊迫感はマシマシになることでしょう。

まとめ

直親の早い退場にビビりましたが、次回はいきなりタイトル回収。正直早い気もしますが、これからが本番という事でしょう。ドラクエ5も、グランバニアに辿り着いて王位を継承してからが本番みたいなところがありますし。桶狭間あたりからテンポが良くなってきている感じがあります。

寿桂尼のゲマ感があふれてきているので、今後の彼女や氏真とのやりとりが見ものです。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。