直虎18話。あるいは裏切りと言う名の鶴。戦わずして勝つのが善の善なる者

2020年2月7日

隠れる猫

とどでございます。

にゃん渓和尚復活! 久々に見ました。やっぱりお利口な猫です。

さて、今回のサブタイの元ネタは、フランス映画の『あるいは裏切りという名の犬』ですかね。原題は「オルフェーヴル河岸36番地」とのことで、パリ警視庁の住所を指します(Wikipedia情報)。

私はフランス映画はアメリしか見たことが無いため、上記の作品の内容がこの話とどう関連しているかは分かりませんが、話の構造につながりがあるのでしょうか。

こうした住所をフィーチャーするというと、ベーカー街221Bを思い出します。シャーロックホームズが住んでいた場所ですね。あと、「あるいは~」で始まるタイトルは、「あるいは牡蛎でいっぱいの海」とか。「○○、あるいは~」みたいなパターンもありますね。

「あるいは」がゲシュタルト崩壊しそうです。それはさておき、今回、結局政次が裏切ってなかったことが明るみに出ました。よかった。

デレデレゆきぴょん

中野直之は気付けばデレッデレでした。

「殿に手を掛けようとしてみよ、その場で首が飛ぶからな」なんて政次に告げました。政次も、もちろん直虎をどうこうしようという気はないし、むしろ守ろうとしているので、「心得ておる」と返します。

政次の立場からすれば、直之は幼い頃から守ってきた幼馴染を勝手に守ろうとする邪魔なライバルです。少女漫画だったらドロドロの展開になっています。

方久のフォロー

駿府に連れていかれる直虎ですが、その裏では瀬戸方久が動いていました。

種子島の生産は今川のためだったと嘯き、さらにはそれは売り込みに行っていました。ナイスフォローです。でも三味線弾きまくり。

連絡しないで動いたのは怖いことですが、結局は井伊のためになったから良かったです。

それにしても、氏真は経験が浅いから結構簡単に話に乗ってくれましたね。ちょろい。

今回は孫子ワードがあふれてる

南渓和尚から渡された本は孫子の兵法。直虎の良さを奪ってしまう、という考え方から南渓和尚は今まで封印していたようでした。いや早く渡してあげて!

今回特に取り上げられていたのは、「敵を欺くにはまず味方から」という点。言葉だけなら、現代もよく言われていることですが、その真意は、「本来の目的を敵に知られないこと」です。虚実篇あたり。

目的や目標を知られてしまえば、それに沿って行動していることがばれてしまいます。政次は、「おとわを守る」という目的を果たすために、蛇蝎の如く忌み嫌われようと、その目的を隠しながら行動していました。

今回、ついにおとわにその意図が伝わってしまいましたが、別に裏切っていた訳じゃないよ、というのが伝わったのも良かった点でした。サブタイを見れば、裏切ってるように見えて裏切ってない、なんてのは丸わかりでしたけど。

戦わずして勝つ

「私ならこうする」と進言した政次。その言葉の中に、「戦わずして勝つ」というものがありました。ここでの「勝つ」とは、自分の要求を通すこと、すなわちおとわを守り通すこと、です。

そのためなら、井伊の人間に嫌われようと、今川の犬だなんて言われようと、構わないのです。

孫子の言葉に、百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり、なんてのがあります。政次との会話後に、直虎がゆきぴょんに語った「気に入った言葉」です。これは戦わずして勝つのがマジサイコー、の部分なのです。

つまり、政次の言葉を「気に入った言葉」として告げたのです。政次ファンの私としては嬉しい展開でした。

あと、「今さら嫁にもろうて欲しいなどと言うても、願い下げですぞ」からの「戯言です」はぐっと来ました。ここでその発言をするのを鑑みても、やっぱり彼はおとわと結婚したかったんですね。どうでもいいと思っていたら、こんなこと言いませんもの。

この辺りも、彼の人間らしさが表れていていい感じ。

スパイを手厚くもてなすのも孫子

「間者の申し子のような男じゃな」と愛想のない山伏への感想を漏らす直虎。この「間者(スパイ)」というキーワードも孫子の中にあります。用間篇あたり。

現代のように情報の入手手段が多岐にわたる状況と違い、当時は情報を手に入れるのが大変な状況でした。それこそ間者を使って敵の内情を調べる、なんてことも行われていたことでしょう。当時であれば、「忍者」なんてのが該当するかもしれません。

孫子の中でも、このスパイの使い方が説かれています。

スパイは手厚くもてなせ、敵のスパイを寝返らせて情報を手に入れろ、など。極論、情報さえつかんでしまえば、戦わずして勝つこともできるのです。逆に言えば、いかに強力な兵を配備していようと、情報に踊らされては、その本来の力を発揮することは難しいでしょう。

だからこそ、南渓和尚は山伏とのパイプを作ろうとしていたのです。

猫の手のお菓子

政次がなつにあげたお菓子は、猫の手でした。猫の手を借りたいほど忙しい状況の暗示みたいな。

なつに渡したものの、結局おとわに献上したので、おとわたちがもぐもぐと。亥之助にも食べさせてあげたかった、というのが政次の気持ちなんじゃないでしょうか。

亡き弟の子供ですから、大事に思う気持ちもあるはず。それこそ自分の子供のようにかわいがる気持ちもあるでしょう。

それでも、なつは直虎に献上したのでした。彼女にとっては、政次の立場を改善したい、報われて欲しい、というのがあったのかもしれません。

まとめ

その真意がすべて伝わった訳ではありませんが、政次がちょっと報われた感じがしました。よかった。今回の引きでは、柳楽君が「おかしら」みたいな感じに言われているのが気になります。政次と力を合わせて、問題解決してほしいところ。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。