直虎32話「復活の火」井伊と小野はふたつでひとつ! でもフラグが……

2020年2月7日

復活の日を見据えて

とどでございます。

今回のサブタイトルの元ネタは「復活の日」。

昨年の大河ドラマ「真田丸」に出演していた草刈正雄さんが主演していたSF映画です。

今回は「これでもか!」というレベルで政次のフラグ立てが行われました。

直虎との囲碁タイムでは、「いつか日の元で碁を打てる日が来るかのう」なんてセリフがありましたし、なつを嫁に迎えようとした時には、「この戦いが終わって落ち着いたら、嫁になってくれないか」と最大級の死亡フラグを立てていました。

戦いの前にした結婚の約束は大体叶わないのがお約束です。もはや法則といってもいいレベル。

次回のサブタイトルが「嫌われ政次の一生」なので、ついにこの時が来てしまったか……という感じ。

今から来週の放送が怖いですが、その前に今週の内容を書き留め。

徳川への手紙

井伊がお家取りつぶしになってしまった経緯を徳川に伝えなければ、今現在井伊谷城にいる政次がピンチになってしまいます。

直虎の想定では、徳川が井伊谷を攻めてきた時には戦わずして城を明け渡し、そのまま徳川に臣従する、となっているので、手違いがあると政次の命が危ない状態。

なので信頼できる仕事人・傑山さんに手紙を託し、徳川に情報を伝えました。

一方、徳川では戦の準備が行われていました。

本多忠勝役として高嶋政宏氏がいましたね。「あれ? 去年真田丸で北条氏政やってなかったっけ?」なんて早とちりしましたが、それは弟の高嶋政伸氏でした。うっかり。

さて、そのミーティングでどこから攻めていくか、といった折に、後の徳川四天王のひとり、酒井忠次が正体不明の敵に襲われたとの情報が入りました。

その情報と、井伊が取りつぶしにあった、今井伊谷を治めているのは政次だ、政次は油断ならん人間、という瀬名からの情報が組み合わさって、家康の心は政次討伐の方向に向きそうになっていました。

このタイミングで、直虎からの書状が届いたのでなんとか軌道修正ができましたが、上記の情報があったために、後に近藤康用の言葉を信じてしまう下地となってしまったのかもしれません。

返事はいかに

「面白いことを考えるな」と直虎に興味を持つ家康。瀬名からの援護射撃もあり、直虎の提案を受け入れる方針と相成りました。

自分が考えもしない策を考え出す相手、というのは、興味の対象になりますね。家康はこういうところから学んでいって、征夷大将軍まで上り詰めたのかもしれません。

日本一の腹黒豆狸は伊達ではありません。

直虎と政次の濃い時間

家康からの返事が来たことを、なんとか政次に伝えたい直虎。

和尚様に託そうか、といったドンピシャなタイミングで政次がやって来ました。

あらやだ以心伝心。

最後に囲碁をしていた時は、直虎が殿、政次が家臣、という構図でしたが、今回は政次が殿の立場にいます。

会話をしていて、ふたりの間にある違和感。それは立場によるものでした。

殿として振舞っている政次は、喋り方が以前の直虎のようになっていました。それに気づいて、政次をからかう直虎。

幼い頃から、直虎が殿で政次は家臣、というのに慣れていたからか、やはりふたりともなんだか可笑しくなってしまったようです。

状況は相変わらず喫緊ではあれど、リラックスした空気が流れました。

縁側に碁盤を持ち出し、月を眺める政次に対して直虎は、「いつの日か、日の元で碁が打てるかのう」と投げかけます。

政次はそれに対して、笑顔で応えるのでした。

まさかのなつとの結婚

直虎との時間を楽しんだ政次は自分の屋敷に帰って来ました。

そこでは、多くの視聴者の意表をつく展開が。

前回の予告で、政次に抱きつくなつの姿がありましたので、「またなつからのアプローチか」と思ってましたが、なんと、政次から結婚を持ちかけてました。なんともはや……。

直虎に好意はあるけれど、それとはまた違った形でお前と居たい(意訳)と伝える政次。

「そういう時は、嘘でも『お前が一番だ』と言うものですよ」と答えるなつも、一番にはなれない寂しさを感じつつ受け入れる、と言う大人な感じがとても素敵でした。

政次にとって直虎は、幼馴染として(恋愛感情を抜きにしても)一生側に居たい存在、なつは側で支えて欲しい存在、という感じなのかな。

直親の妻であるしのも、直親にとって直虎が一番であったと感じていたので、この姉妹は辛い立場になることが多いですね。

そうは言っても、なつは政次の弟である小野玄蕃と一度結婚しているし、しの程ではないですけど。

ただ、これから戦が始まる、という時に結婚の約束をするのは、人類史上多く見られる禁忌ですから、これからのふたりを思うと辛くて辛くて……。

関口株、ストップ安

前回の感想では、「関口殿の武人としての矜持がなんたらかんたら」と述べていた私でしたが、すみません。撤回せざるを得ませんでした。

彼、流されやすいだけなのかも。

徳川への手土産として関口の首を渡す、なんて考えていた直虎でしたが、もはや関口の首にそんな価値は無くなってしまいました。

武田の本陣での軍議中、武田四天王がひとり、山県昌景の元に知らされたのは、関口殿の寝返り。

なんと、今川氏真の腹心かと思っていた彼が裏切るとは。

腹心ですら「あ、これマジでどうしようもない」と思うほどの戦力差だった、ということの証左なのかも。

今川の梯子外し

直後の今川での軍議中、あたかも「私裏切ってませんよ」みたいな感じで参加している関口殿はシュール。

でも実は、怪しい動きをしているのは彼だけではなかったようで。

蓋を開けてみれば、氏真の家臣21名が武田に寝返るという大梯子外し。

ここまで見事にやられたら、氏真は切腹する気も起きないだろうなぁ。

不穏な動きをする近藤

徳川からの寝返り工作で、井伊の目付けである近藤、菅沼、鈴木の3名が今川を裏切りました。

この3人のなすべきことは、明け渡されることが決まっている井伊谷への道案内。簡単なお仕事です。

戦うことなく領土がもらえると知ってほっこりする菅沼、鈴木の両名に対し、「本当にそれだけでいいのか……?」なんて余計なことを言い出した近藤康用。

駄目だこいつ……はやく何とかしないと……。

政次の演説

いよいよ徳川が井伊谷に攻めてくる、といった時、「その者らを捕らえよ」だなんて言って関口殿の部下たちを拘束しました。

「この城は戦わずに明け渡し、小野はそのまま徳川に臣従する」

政次がそう告げると、関口の部下のひとりは「薄々気づいておった。我らはここに打ち捨てられたのだと……」と心中を吐露。

一緒に行くチャンスをくれた政次について行くことに。

「井伊を再興する」とここで初めて自分の意見を公にした政次でしたが、小野のみんなはそのつもりでいたようです。

「我らも殿を欺いていたのです」だなんて、全力で政次を信頼していた様子。

政次の意図を汲み取るのであれば、政次が井伊に味方している、というのが対外的にバレていては困るので、部下たちも公にしないようにしていたみたい。

うむ、信じられているなぁ。

この政次、近いところにいる人たちから見れば、奸臣とは思えない動きのようです。
そして政次の演説。

井伊と小野はふたつでひとつ。

小野は井伊が行き過ぎないように、井伊は小野を犬にするために争い合って来た。でもこれからはひとつとなって井伊谷の民を守る。

政次は、父親とは違う自分の道を、堂々と皆に示すことができたのです。Ono for Ii, Ii for Onoの精神です。英語にするとOne for Allに字面が似てますね。

もみあげ、お前だけは許さない

いざ、井伊谷への道案内をする段になって、もみあげ(近藤康用)が余計なことを言い始めました。

「小野は本当に油断のならない奸臣です」と家康に告げます。

直虎からの手紙はもらっていたものの、それより前に瀬名から「小野は奸臣」だとインプットされていた家康は、一旦様子を見るため、もみあげ達を先行させることに。

ここで、政次との距離の遠さが裏目に出ることになりました。

近しい人たちには信じられていた政次ですが、ある程度距離のある相手だと、対外的に見せていた「奸臣」としてのペルソナが信じられてしまっているのです。

実際、もみあげの立場で考えてみれば、自分の領地の木を切られるわ、その犯人は井伊で雇い上げるわで、井伊や小野に対して悪い感情を持っていても仕方ないんですよね。

とはいえ、私は全力で政次の味方なので、もみあげ許すまじの立場は崩しませんけど。

これは罠だ!

徳川の進軍の情報を聞き、家康と会うために直接井伊谷城へ赴く直虎。

政次に対してまだ半信半疑の之の字は、直虎のお供を依頼された時に「一緒に行って小野の首を取ってくればいいんですね?」だなんてからかいます。

「もう何も恐くない!」状態の直虎にとっては、之の字ですら、直接今の政次を見ればそんな気は起きないはずだと確信しているため、「それでも良い」だなんて余裕のある回答。

あとちょっとで、井伊復活が見えてくるのです。そう思ったら余裕だって生まれます。井伊谷城で徳川を待ち構えていれば、そこにいたのは家康じゃなくて後の井伊谷三人衆。

家康に会えるかも! と期待していた直虎に対し、何ともいやらしい笑みを浮かべて近づいてくるもみあげ。中の人である橋本じゅんさんの演技が光ります。

何か音がしたため、之の字に確認に行かせようとしますが、「それには及ばない」ともみあげの部下が確認に行きます。何か不穏な動きを感じつつも、当初の予定通り井伊谷城を明け渡そうとする直虎と政次。

しかしそれは罠でした。

政次が門から出ようとした瞬間、徳川勢に向かって矢が飛んできたのです。

そう、もみあげ達は、「小野は城を明け渡すと見せかけて、油断したところに弓を引いたのだ」というストーリーを捏造したのです。なんてやつだ。「逃げろ政次!」直虎の悲痛な叫びが響き渡ったところで「続く」。

まとめ

今回、これでもか! というレベルでフラグを立てまくっていた政次。

あぁもう今から来週の放送が怖いです。

でも目を逸らさず、政次の生き様を最期まで見届けたいところ。あ、そういえば3話から言い続けてきた「今川館が焼け落ちる」がやっと実現されましたね。

おまけ

サブタイトルの元ネタ集作りました。