西郷どん第42話「両雄激突」ダークサイドに落ちた大久保卿の復讐

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留守を守りもす

とどでございもす。

前回の最後に「おいも異国で学びもす」と決意した菊次郎がアメリカに旅立ちました。父、隆盛からは「農業を中心に学べ。腹を満たしてこそ民は前を向く」と助言。

別のドラマの話をするのもアレですが、下町ロケットでも農業の話をしていたので今シーズンは農業推進ドラマが多い感じですね。衣食足りて礼節を知るとも言うし、まずは腹を満たさなければ始まりません。

そして大きな問題としてなかなか帰ってこない岩倉使節団。当初の予定では10ヶ月だったのに、なんと1年も延期されてしまいました。その間政治を停滞させる訳にもいかず、止むを得ず人事の異動や新しい政策の発布などを行った留守政府。

しかし列挙各国でその強さの基盤を目の当たりにした大久保一蔵は、自分の思い描く政治を行うために留守政府の面々を排除することを目指します。

どうやらドイツの鉄血宰相ビスマルクに感化されダークサイドに堕ちてしまった様子。

オープニングの山道でのすれ違いが現実味を帯びてきた感じですね。

あと熊吉の恋愛模様にも注目でした。

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前回のあらすじ

西郷どん第41話「新しき国へ」久光様、怒りの花火大会を開催
西郷どん第41話「新しき国へ」久光様、怒りの花火大会を開催
今回はまごうことなき久光様回。天子様に会って新しい国の兆候を感じた久光様は涙を流し、憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとした顔で西郷さんを応援するようになりました。「このやっせんぼが!」と斉彬様のセリフで叱咤激励するのが熱い。

明治政府によって廃藩置県が行われ、それに抗議の意を示すために久光様は庭で花火大会を敢行しました。

一方その頃、明治政府では薩長vs土肥の権力争いが加熱してきました。

そんな最中に岩倉使節団として条約見直しを目的に政府中枢の人間を派遣する話が出てきました。

「今そんなことしてる場合か……?」と内外に言われながら旅立つ岩倉たちは、「自分たちが帰ってくるまで新しいことは何もするな」と留守政府に釘を刺して行きます。

旅立つ一向を見送った西郷さんは、明治天皇の全国行幸のお供として薩摩改め鹿児島にも向かいました。

そこで久光様と再会し「最後までやり通せ、ダメだったら帰ってこい」だなんて人が変わったかの様に応援してもらいました。

今回はこんな話

今回のハイライトはこちら。

  • 菊次郎もアメリカ留学
  • 熊吉、長屋の女性と懇意に?
  • 新しい政策がどんどん出てきた
  • 大久保一蔵だけ先に帰国するも既に席は無し
  • 過労で倒れた西郷さんと面会するも、ビスマルクに心酔する一蔵に西郷さんドン引きで結果喧嘩
  • 追いやられた長州勢と手を組んで留守政府でのさばる土佐・肥後にリベンジを決意
  • 李氏朝鮮に新政府発足の通知を出すも、突っぱねられて話し合いできず
  • 西郷を派遣することでまとまるも、大久保・岩倉に反対されてどうなることやら

今回も気になる所を中心に。

髪を下ろした菊次郎

イケメンすぎませんかねぇ。

アメリカでめっちゃモテそう。

西郷隆盛の妹である琴さぁの息子・市来宗介も一緒にアメリカに行くようです。従兄弟が一緒にいてくれると安心ですね。

なんの成果も!! 得られませんでした!!

……となると言い過ぎですが、当初の目的である不平等条約の改正に向けた動きは不調に終わり、海外に出ている期間も伸びるしで、残った側からは散々な言われようだった岩倉使節団。

Wikipedia より引用 (パブリックドメイン)

写真は岩倉使節団がロンドンで撮ったもので、左から木戸孝允、山口尚芳、岩倉具視、伊藤博文、大久保利通。

岩倉使節団はまだまだ帰ってこないようです。結果として1年10ヶ月も海外にいたのですから、それはそれは長い旅でした。

そもそもの目的は不平等条約改正のための足がかりを作ること。日本にはまだ近代的な法制度が整っていなかったこともあり、現時点で再交渉してもさらに不平等な条約になる可能性がありました。

なのでまずは条約改正そのものを行うのではなく、再交渉のタイミングを遅らせることを目的にしていたのです。

巡った国は以下の通り。外務省で公開している『外交史料Q&A 明治期』を参照しています。

  • アメリカ
  • イギリス
  • フランス
  • ベルギー
  • オランダ
  • ドイツ
  • ロシア
  • デンマーク
  • スウェーデン=ノルウェー
  • イタリア
  • オーストリア=ハンガリー
  • スイス

……めっちゃ巡ってますね。羨ましい。

スウェーデンとノルウェーは1814年から1905年までの間スウェーデン=ノルウェー連合王国として、オーストリアとハンガリーは1867年から1918年までの間オーストリア=ハンガリー帝国として存在していたのでその表記になっています。

岩倉使節団が訪れたのは1871年から1873年の間なのでちょうどその時期ですね。

現代だとイギリスが連合王国です。正式名称は『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国』とまんま連合王国(United Kingdom)が入っています。

岩倉使節団はこの諸国を巡って技術や政治の体制を学んできました。条約改正は実らずとも結構収穫があったけど、国政を止めてまで中枢の人たちが行くべきか……? となると話は別かも。

特にアメリカでは大陸を横断したり、「条約改正までいけるんじゃね?」と欲をかいて草案まで作ろうとしたためか8ヶ月も費やしたようです。当初の予定の4/5をアメリカで費やすとか……。

鉄血宰相ビスマルク

それまで数百に及ぶ小国が広がっていたプロイセン周囲をまとめ上げ、ドイツ帝国とした首相のオットー・フォン・ビスマルク

彼が首相に就任して演説を行った鉄血演説から「鉄血宰相」なんていう厨二病感溢れるあだ名が付きました。

「鉄」は武器、「血」は兵士のことのようで、演説や多数決で決めるんじゃなくて武器と兵士を強化して力によってドイツをまとめるべき、なんて感じの演説だった様子。

この演説自体はヒートアップしたことによる失言説もあり、つい調子に乗って言ってしまったとかなんとか。まぁ結果としてドイツがまとまったのでセーフです。

ドラマの中では一蔵どんがビスマルクに感銘を受けている様子が描かれていました。岩倉使節団としてドイツを訪れた時には、ビスマルクが歓待してくれたようです。

そこで小国をまとめ上げた時の苦労話なんかも教えてもらったみたい。日本も藩が300近く存在していた国ですから、それをまとめ上げるお手本としてドイツから学んだのも分かりやすい構図です。

会見時にはビスマルクが「日本は国際法に則った近代的な法整備を先に行おうとしているようだけど、いくら法があっても大国は力でひっくり返してくる。その選択肢を取らせないためにも、まずは自国の強化を行うべき」とまでアドバイスしてくれたみたい。

大国であるフランスとロシアに挟まれているドイツにとって、実感のこもった言葉でした。特に「自分の経験からだけではなく、他者の経験からも学べ」と言っていたビスマルクがこの話をしてくれたのは大きなお土産だったのかもしれません。

「血」税の徴収

「血」が兵士を表しているのはヨーロッパ、特にフランス語が大元になっています。ビスマルクも「鉄と血」と言っていたように、あの辺りではこの言い方がされていたようです。

西洋の考え方を学んできた明治政府の面々も同様で、明治6年に導入された徴兵令は血税と表現されていました。

ドラマでは「生き血を取られる!」と勘違いした町人たちが西郷さんに詰め寄るシーンがありました。

農民の中でもこの説が出ていたようで、「血税一揆」という徴兵令に反対する一揆が起きていました。特に農家にとって貴重な働き手が兵として出て行ってしまうのは大ダメージだったこともあり、「血」が兵士だと分かっていた人でも徴兵令や新政府に反対する意味で一揆に加わった人もいたようです。

結局生き血を取られる部分は誤解だったことが分かり、町人達の態度も軟化しました。このシーンで近所のおばちゃんが熊吉にやたらスキンシップを行ってるのが気になりました。

もしや熊吉にも春が……?

岩倉具視と密談

日本に帰ってきて天子様にお叱りを受けた岩倉具視はしょんぼりしながらも、伊藤博文に誘われて料亭に。

そこでは岩倉使節団がいない間にすっかり勢いを失ってしまった長州の面々がいました。

山縣有朋や井上馨は完全に自業自得ですが、木戸孝允と伊藤博文は帰ってきたら席がない状態で大ピンチだったので、岩倉具視に協力をお願いしたいようでした。

そこに大久保一蔵も加わって何だか悪巧みをしている様子。

一蔵はなんとしてでも明治政府内のキャスティングボートを握りたいので、岩倉を巻き込んで一波乱起こしそうな感じ。

顔がもう悪者です。

征韓論の話

李氏朝鮮に新政府樹立の通知を送ったものの、ことごとく突っぱねられてしまった明治政府。

居留民もいるので、彼らの安全のためにも関係悪化を避けたいものの、李氏朝鮮の国政を握っていた大院君は「日本人と関わったら刑罰に処す」だなんて命令まで出したからさぁ大変。

当時鎖国政策をとっていた李氏朝鮮は強気の姿勢でした。

板垣退助などは即時派兵を主張したものの、西郷隆盛は「居留民が人質になる可能性が高いからまず自分が大使として向かう」と消極的な姿勢。居留民保護が第一であるというのは二人とも共通していましたが、その手段は異なっていました。

即時派兵となれば、ただでさえ政府が変わって混迷の時期にある日本にとっては国力が疲弊することになります。

議論の末、まずは西郷を派遣して話し合いからと決まったものの、三条実美は岩倉がいないことを理由に天子様には奏上しないままでいました。

断固として反対する

岩倉と共に参議として復活を果たした大久保一蔵は、征韓論の問題で西郷派遣で決まっていたことに反対。

完全にいっちゃってる目で西郷を見つめていました。

大久保からすると、そもそも留守政府が勝手に決めたことにはGoを出せないし、西郷を失う可能性のある派遣は反対です。

西郷が切り捨て御免されたら結果として開戦になってしまうかもしれないとなると、その隙に西欧の列強が攻めてくる可能性を考えたらとてもじゃないけど派遣なんてできません。しかも土佐、肥後が勢力を増した政府の暴走を食い止める役割の西郷がいなくなったら、もはや大久保の理想とする国づくりも実現できそうにありません。

ビスマルクからも、まずは国力を増強して欧米各国との交渉のテーブルに着けるようにしろ、とアドバイスをもらっていた大久保からしたら、内政を充実させたいのは必然。兵を送って国力を削るなんてもってのほかです。

という多くの意図があっての反対だったと思いますが、ドラマのあの目だと暗黒面に堕ちたように見えますね。

まとめ

ビスマルクと会ったことでその手腕に惚れ込み、そのアドバイスをもとに内政を充実しようとした大久保一蔵でしたが、征韓論の話で西郷さんと対立する方向に進みそう。

予告にもあったけど留守政府をぶっ壊したいのが目的になってそうで、なんだかダークサイドに堕ちたなぁという印象でした。

兄さぁ、姉さぁ、次でございもす。

西郷どん第43話「さらば、東京」かつての仲間に別れの挨拶を
西郷どん第43話「さらば、東京」かつての仲間に別れの挨拶を
岩倉具視が議会軽視で自分の意見を奏上し、結果として議会決定をひっくり返した明治六年政変のエピソード回。参議を辞職した西郷さんは鹿児島に帰るつもりみたい。帰る前に木戸孝允、大久保一蔵と昔を振り返っているシーンが終わりを感じさせます。
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