いだてん8話「幾万の敵」は軍歌と詩が元ネタ……これ扱って大丈夫ですかね?

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会いたかばってん会われんばい

とどでございもす。

今回のサブタイトルは軍歌「幾万の敵」が元ネタ。元ネタの元ネタは『戦景大和魂』という詩なので、文学作品枠です。

このサブタイトルになったのは、ストックホルムに向けて旅立つ金栗四三や三島弥彦を見送る際に、人々がこの歌で送り出したことから。

ストックホルムオリンピックに参加する頃の時代背景がそういう時代なのでした。……これブログで取り上げて大丈夫なんですかね?(不安)

今は社会人が呑んだくれる街として有名な新橋ですが、当時は交通の要所であり、ここから日本海側に向かって行き、船でロシアに渡ってからシベリア超特急でバルト海まで進み、さらに船でスウェーデンを目指します。

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今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは「敵は幾万」。ググったら軍歌が出てきてびっくりしました。

軍歌の元になったのは、山田美妙(やまだ びみょう)の「新体詞選」に収録された『戦景大和魂』です。この書き出しが『敵は幾万ありとても、〜』で、ここからそれっぽい詞を抜き出して軍歌を作ったみたい。内容を確認したい方は国立国会図書館のデジタルコレクションから読めます。

山田美妙さんは詩のほかにも小説を書いていて、「いちご姫」「女装の探偵」「桃色の絹」など、タイトルだけ見れば乙女チックな作品があります。

明治時代から女装だなんだの作品を書いていたのは結構衝撃的ですが、よくよく考えてみれば江戸時代には「南総里見八犬伝」で最初に登場する犬士の犬塚信乃が元服まで女装させられていましたし、なんなら古事記・日本書紀ではヤマトタケルがクマソタケルを討伐した時も女装して屋敷に忍び込んでましたので、昔から日本人は女装が好きだったようです(語弊)

さすがだぜ兄貴ィ!!

1800円、ポンってくれたぜ!!

前回はスウェーデンまでの渡航費を集めるのに四苦八苦してましたが、なんと金栗四三の兄、実次が1800円を持ってきてくれました。

当時の1円は現代の1〜2万円ぐらいだったようなので、1800万円〜3600万円もの大金をはるばる熊本から持ってきてくれたことに。ジュラルミンケースのような丈夫な箱はありませんから、普通の箱にお金を入れて持ち歩いていたみたい。

今考えると恐ろしいですね。旅行鞄に3000万円詰めて九州から東京まで行ってきてください、なんて言われても無理。

この1800円は、スヤさんの婚約者である庄屋の池部さんが貸してくれたようです。スヤさんの説得があったことで池部さんのお母さんが協力してくれました。

「1800円であんたの畑を買い取る。その畑はタダで貸してやるから、弟を助けてやんな」とガッツのある返答。池部母、かっこよすぎです。

高等師範学校のみんなも協力

実次がお金を用立ててくれたのと同じように、東京高等師範学校のみんなもスウェーデンへの渡航費を集めてくれていました。

全国の高等師範学校に呼びかけて、なんと1500円(現代の1500万円から3000万円)もの大金を集めてくれました。SNSもない時代にこうやって力を合わせて応援してくれるのは素晴らしいです。

当時の通信網だと……手紙のやりとりでしょうか。嘉納治五郎先生が働きかけてくれたのかもしれないし、学生自身が故郷の友達とかに手紙を送ったりして集めたんですかね。

播磨屋さんも足袋とユニフォームを作って応援してくれましたし、こういう元気玉みたいな展開は燃えます。

一方でプレッシャーも

みんなに応援してもらった金栗四三はプレッシャーも感じてました。特にスヤさんの協力があって渡航費を集めることができたので感謝もひとしお……って、どちらかというと失恋の方が大きいかも?

池部さんがお金を用立ててくれたのはスヤさんが池部さんと結婚するから。金栗少年は自分の好きな人が応援してくれているのを感じつつ、でも相手は結構しちゃうから自分の思いも告げられない悲しい関係になってしまいました。

東京に向かう四三をスヤさんが自転車で追いかけるシーンが回想で挟まってくるのがまた切ないです。

壮行会でスヤさんから教えてもらった歌を唄うのも悲し。

志ん生もちょっとだけ

酒を飲んだからか昼まで寝過ごした志ん生がちょっと出てきました。

美川くんが惚れ込んでいる遊女の小梅さんと志ん生は友達でしたが、ここでちょっと関わってきましたね。

小梅さんが熊本出身だったのも判明し、美川くんのキザな口説き文句も炸裂し、と熊本出身者たちの対比も描かれました。

美川くんがいたからこそ金栗四三は東京高等師範を受け、マラソンに出会ったのですが、当の美川くんは遊女に入れ込んで学業をサボるように。コンプレックスめっちゃすごそう。

弥彦も応援してもらえた

「オリンピックに行くなら親子の縁を切りもす」だなんて母親に言われていた三島弥彦

爵位持ちのエリートの家だけあって、「かけっこ」に時間を費やしているのは咎められてしまうようです。

本人は「おかんや兄貴がなんぼのもんじゃい!! 留年してでもオリンピックに出てやらぁ!!」と覚悟を決めていました。当時の短距離走選手の中でトップだった彼がいないと始まりません。

弥彦は覚悟を決めて旅立つつもり、一方で「オリンピックなんて私は許しませんからね!!」な感じのおかん。でもよく見ると、何かを縫っているような……。

弥彦が黙ってスウェーデンに向かおうとした時には、走って追いかけてきたおかんと兄貴。「お前、行くなら行くで挨拶くらいせんか!!」と、見送りに来てくれたみたい。

電車に乗っている弥彦に母が手渡したのは、日の丸のついたユニフォーム。これを作ってくれてたんですね。

これが……これが薩摩式ツンデレ……!

当時『不如帰』という彼女をモデルにしたような映画が作られるくらい有名だった三島和歌子。その言動は世間の人々に見られているでしょうし、安易にオリンピック行きを応援しては「三島家ってそんなかけっこにお金を使うような家なんだ」なんて言われかねません。特に兄の弥太郎は横浜正金銀行の頭取でもありますから、お金に厳しい立場の人の弟がかけっこのためにスウェーデンに行くのも印象が悪い……かも。

だからこそおそらく表立って応援できなかったのですが、やっぱり母として子供の進む道は応援してあげたかったんですね。

このシーンは弥彦が応援してもらえて良かった〜とほっこりしました。

安心の可児くん

可児くんが完全にオチ要員に。

電車に乗るはずだった嘉納治五郎先生を差し置いて、自分だけ電車に乗ってしまいました。

スウェーデンに行きたすぎてついやっちゃいましたね。

感動シーンの後にオチを忘れない安心の脚本です。

まとめ

今回は金栗四三はもちろんのこと、弥彦がオリンピックに参加するにあたって家族に応援してもらえたのが良かったです。立場のせいで自分の意思を諦め掛けていた辺りは大河ドラマっぽい感じがします。

金栗四三パートは大河というより朝ドラ感があります。15分単位でちょっとずつ成長していく感じが朝ドラっぽい。教科書に載るような派手さはありませんが、努力と研究を続けるところ、まだ誰も見たことのない世界に飛び込む勇気が素敵です。

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