いだてん28話感想「走れ大地を」日本初のオリンピック応援歌(多分)

2020年2月15日

海の中からも応援してます

とどでございます。

前回のメダルガバガバ大作戦から一転、今回は重い話でした。

満州事変が起こって、犬養毅が凶弾に倒れ……と、戦争の気配がしてくる中、「こんな時だからこそ、平和の祭典であるオリンピックをやるんじゃんね!」とまーちゃんがロサンゼルスに乗り込むまでが今回のお話。

水泳側にスポットが当たっていたので、前主人公の金栗さんは回想だけでの出演でした。大森監督が映っていたのが懐かしいです。

今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは「走れ大地を」。国際オリンピック選手派遣応援歌のタイトルです。1932年のロサンゼルスオリンピックのために作られた歌だったみたい。

まさに今回作中で応募していたあの歌。YouTubeでも聞けます。

現代での『栄光への架け橋』みたいな感じでしょうか。最近ではオリンピックといえば『栄光への架け橋』という感覚です。

「走れ大地を」の曲はあまり聞いたことがないのですが、テレビでもやっている記憶がなく……。クーデターの時期と相まって、当時のメディアではあまり取り上げることもなかったでしょうし、資料が少ないのもしょうがないですね。

日米水泳選手権

ロサンゼルスオリンピックの前年に開かれた日米の水泳選手権では、ホームでの開催という利点もあって勝利を納めた水泳の日本選手団。

これならオリンピックも安泰か! なんて浮かれる日本の人々に対して、「ホームだったから勝てた。オリンピックではアウェーだ。さらなる鍛錬を積みたい」と冷静に語る田畑政治。

今みたいに飛行機で12時間でやって来れます、なんて時代じゃないですもんね。アメリカの選手に不利な条件で戦って勝っても……と思ってもやむなし。

メダル至上主義

まーちゃんがメダル至上主義に。

「勝たなきゃ意味ないよ」

とメダルを狙える選手のみに絞って強化を行おうとしますが……監督のカクさんからは「メダルだけがオリンピックじゃないでしょ!」との言葉が投げかけられます。

以前「選手のメンタルのケアをするのが監督だ」と言っていたまーちゃんでしたが、選手のメンタルを追い詰め始めるのもいだてんのまーちゃんらしいのかも。

アムステルダムオリンピックでたくさんのメダルを持って帰ってきたのを受けて、ちょっと考え方も変わったのかもしれません。

仲間は若干ついていけてませんでした……が、ここはカクさんがうまくメンタルをケアしてことなきを得ました。

体育協会の理事への推薦

まーちゃんは体育協会の理事に推薦されました。トントン拍子で出世していきますね。

が、「お断りします (゚ω゚)」と一蹴。

本人も言っていた通り、会社に勤めながら水連の総監督を務め、その上体協の理事までやったらてんてこ舞いです。

なんだかんだ結果を出しているのもそれに拍車をかけているのかもしれません。アムステルダムオリンピックでは大蔵大臣に掛け合って予算を引っ張ってきたり、その上金メダルまで持ち帰ってきたんですもの。

1940年の東京オリンピック開催に向けた東京市長との会合にも連れて行かれ、本人が望まなくともどんどん役がついていきそうな感じです。

同僚の河野氏が政治家に転身

桐谷さん演じる、まーちゃんの同僚・河野一郎。

彼は満州事変後に軍部が力を持ち、報道機関にも影響を与え始めたことから報道の無力さを感じて政治家に転身しました。

報道機関にいたら言いたいことも言えない、だから世の中の方を変えるんだ! と会社を飛び出しました。

最初は陸上、いや水泳だ! とまーちゃんと対立していましたが、前回のオリンピックを経て仲良くなったんですよね。それがお互いに想いを託すぐらいの友人関係になりました。

「政治家……河野……?」と思ってググったら現外務大臣の河野太郎氏のおじいちゃんだったんですね(唐突なネタバレ)

大蔵大臣の家にいたら総理が来た

大蔵大臣の高橋是清と仲良くなったまーちゃん、彼の家にいたらなんと総理大臣の犬養毅がやってきました。

そこから次の内閣の情報を得てスクープゲット。

焦っているからか「アレがコレだからアレしてこうなった」なんていう暗号みたいな電話をしていましたが、同僚の女性は見事に内容を理解して記事にまとめてくれました。

これもうテレパシーだな?

後半でも「アレどこいった?」で通じていましたし、これもう夫婦ですね。

記者出身の犬養毅

田原坂の戦いに従軍記者としてついていった犬養毅。記者出身だからまーちゃんの取材も受けてくれました。

取材というか、オリンピック応援歌のお披露目会への参加依頼でしたね。開催日の五月十五日の文字がもう辛い。

この時も「武力でことを成してはならない、話し合いで解決すべき。その点スポーツはいいぞ。勝ち負けだけじゃない」と話し合いを重要視しているセリフがありました。

のちに起こった五・一五事件でも、自分を撃とうとしている相手に「話せばわかる」と応接間まで案内するんだから胆力があります。

色々とググるとびっくりするのですが、犬養毅のひ孫に安藤サクラさんがいます。朝ドラの「まんぷく」のヒロインでおなじみですね。

安藤サクラさんの夫である柄本佑さんはいだてんでシマちゃんの夫役で出てますし、知ってると「おおっ」となる配役でした。

まとめ

今回はスポーツにとっては暗雲の立ちこめる回でした。ロサンゼルスオリンピックに向かって行きましたが、予告を見るとまたいやーな感じの回になりそう。

次回のサブタイトルは『夢のカリフォルニア』。1965年に発売されたママス&パパスの曲です。カリフォルニア州ロサンゼルスでのオリンピックなのでそのまんまですね。

ママス&パパスでググるとサジェストがドロドロな感じでした(余談)