いだてん32話感想「独裁者」岸先生にはいつも癒されてました。

2020年2月15日

さよなら岸先生

とどでございます。

ロサンゼルスオリンピックが終わって日本に帰ってきた選手団。中でも銀メダリストの前畑秀子に向かって「なぜ金メダルでないのかね〜」となかなかひどい言葉を投げかけました。

これに対して熱く反論したのがまーちゃんと体育協会の岸先生でした。クールに振舞っているように見えて、実は熱い男の岸先生。

東京オリンピックの招致活動の最中、まさかの急逝となりました。私費で選手たちに援助したり、嘉納先生がこさえた借金を整理したりと仕事はこなしつつ、スポーツとなると子供のようにはしゃいでいる姿が印象的でした。

盟友の岸先生が亡くなった後、精力的に活動していた嘉納先生にも異変が……。

今回のサブタイトル

今回のサブタイトルは『独裁者』。チャップリンの映画ですね。アメリカで公開されたのが1940年でした。架空の国が舞台となっていますが、チャップリンの扮装が完全にちょび髭のあの人です。

風刺を入れつつ、コメディタッチで描かれた映画です。

1936年のベルリンオリンピック、1940年の開催都市として候補に上がっているローマともに、ヒットラー、ムッソリーニといった独裁者が牛耳っている国でした。

話の中だとムッソリーニに会いに行くのは来週のようなので、先走ったサブタイトルかも。

水着で寝てた前畑秀子

永田市長から「なぜ金メダルじゃないのかね〜」と悔しさをぶつけられた前畑秀子。自分でも分からないうちに周りが「金メダル!」と言っていたため、悔しさを自覚する暇もなかったようです。

夢の中では包丁を持った父親とにっこり笑う母親が出てきました。この字面だとホラーですね。

この二人、このときは既に他界していたのですが、秀子を励ますために夢枕に立ってくれたようです。

このおかげで悔しさを自覚した前畑秀子は金メダルを目指すことに。そして着ていた浴衣を脱ぎ捨て……って水着着てたー!!

そのままプールにGO! で練習を開始したのでした。

前畑頑張れ! と応援しかけたところでギャグをぶっ込んでくるシュールなシーンでした。

岸先生お疲れさまでした

岸先生、いいキャラしてたなぁ……。

冒頭に永田市長に反論するときは「伸びたうどんみたいな顔しやがって! 引退して縁側で俳句でも作ってろ!」と素敵なワードセンスでした。

昭和天皇に直接ロサンゼルスオリンピックの結果を伝えるとか、当時の感覚からするとすごいことなんでしょうね。めっちゃテンション上がってる姿が良かったです。

「もうちょっと余韻に浸らせてくれ」

なんつってニヤニヤしているのも癒しポイント。

その直後、鏡を見て「片方だけ二重になってる!」と気にし始める乙女チックなところもありました。史実の写真でも左目が二重になっているのにはびっくりしました。

1940年の東京オリンピックが決まるまで見て欲しかったなぁ……。

貴様と貴様

体育協会の野口くんと水連のまーちゃんは犬猿の仲。

お互いに「貴様」と呼び合いながら卓球をやっていました。これもう仲良いな?

野口くんは体育協会の理事を目指していたようですが、その候補にまーちゃんが挙がったことにちょっとショックを受けているようです。

地道に活動していた野口くんに対し、アムステルダムオリンピックで選手の渡航費を国から引っ張ってきたり、ロサンゼルスオリンピックでメダルを量産したりと大活躍のまーちゃん。

ドラマ的には描かれ方の差が激しすぎますね。お留守番ピック。

それでもスポーツで国を明るくする、というのを成し遂げたまーちゃんに対して「ありがとう、貴様」と握手を差し出すのでした。

まーちゃんの結婚

めでてぇ。

同僚がお見合いの相手だと知らないまま、その人に惚れてしまったまーちゃん。オリンピック以外にも熱中できることがあって良かった。

会社のオフィスで結婚式を執り行ったようですが、そこにはなんと志ん生になる前の志ん馬が。心配ないさー!

まーちゃんといえば、志ん生(若)が師匠に言われて旅に出て、浜松で講演していたときに生意気を言っていた中学生です。あの生意気な中学生が結婚するぐらいにまで時間が流れていたんですね。

二人とも再会を喜ぶ感じではなく、飄々としているのがまた彼ららしさを感じます。

元同僚で代議士になった河野一郎も駆けつけてくれました。

九州一周の旅

金栗四三のファンである青年・小松勝が四三さんを訪ねてきました。

四三さんの書いた本『ランニング』を持ってきているあたり、筋金入りのファンなようです。

その彼が「走りで九州を一周してるんです」と言ったのに乗っかって、「九州一周の伴走に行ってくるけん」と軽いノリでついてく四三さん。流石のフットワークの軽さです。

スヤさんのお腹が大きいもなんのその。スヤさんだって「いつものこと」と気にしていない様子ですね。そりゃ結婚してから「オリンピックがあるから」って言って別居生活していたことを思えば、九州を一周して帰ってくるのなんてすぐですね。

出発前には著書『ランニング』の中でも勧めている水浴びを小松くんにも勧めました。『ランニング』は国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)で読めるので、ぜひ読んでみてください。本当に「水浴びは心身に良い」って書いてあります。37ページの8行目から数ページほど冷水浴の効能や、やり方について書かれています。

あ、冷水浴のシーンが五りんと重なってたのは何か関連があるんですかね? 「親父の言いつけで」なんて言ってたので、今回出てきた小松くんが東京に行って、しかもシマちゃんの娘さんと会うようなことがあれば、五りんの父親である可能性も。今後に期待。

Japanじゃなくて日本

このセリフが出てきたときはちょっと泣きそうになりました。

ストックホルムオリンピックの開会式で入場する際、プラカードに国名をなんと書くか揉めたのが懐かしいですね。

Japanだと主張する弥彦に対し、Nipponだと譲らない金栗四三。そういえばあの時も嘉納先生がいました。

今回のラスト、日本を紹介する写真集のタイトルが「日本」に決まったときの嘉納先生の笑顔で、ストックホルムオリンピックの時を思い出します。

嘉納先生が……

盟友の岸先生が旅立ち、それでもオリンピックの東京招致に邁進していた嘉納先生ですが、体調に異変が起きたようです。

予告で病院に担ぎ込まれる姿がありましたが、もう辛い。

四三さん、九州一周の旅に出ちゃいましたが、せめて一目だけでも会いに来れないかしら。

元気に復活してくれるのが一番良いんですけどね。

まとめ

来週は嘉納先生の様子が心配な中、ムッソリーニに「開催地譲ってちょうだ〜い」とお願いをしに行くようです。予告だとムッソリーニのラスボス感が出てます。

次回のサブタイトルは『仁義なき戦い』。日本の任侠映画です。実話を元にした映画だって今知りました。話の内容は知らなくても、テーマ曲を聞いたことがある人は多いと思います。