割引は本当にお得なのか? 背後にあるコストについて考えてみる 2016 11/08 Updated 2018.03.10 2016 11/08 Published 2016.11.08 / とど \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 割引は本当にお得なのか? 背後にあるコストについて考えてみる とど B! リンクをコピーする 時間管理を考える上で、必要になるのがコスト意識。お金だけじゃなくて時間でも必要なことですよね。 そこで、まず身近なお金の面でのコストを例に、さまざまなコストがあることに目を向けていきます。 目次 1. スーパーの割引2. 割引のメリット3. 割引のデメリット4. 条件が許容できるかどうかが大事4.1. お弁当の割引4.2. 携帯電話の割引4.3. 無料でもらえます!4.3.1. 返報性の原理4.4. 背後の条件を考える5. 割引で買うのは冷静に考えてから6. まとめ スーパーの割引 スーパーに行ったことのある方はご存知かと思いますが、スーパーではお弁当、お総菜コーナーで割引を行うことがあります。 人によっては、割引された商品を狙って買い物に行く、なんてこともありますよね。ええ、大学時代の私です。大学の近くにスーパーがあったので、夜通し研究室で実験するときの食料を確保していたのもいい思い出です。 そんな割引ですが、一見メリットばかりに思えますが、実はお金以外の点でコストがかかることがあります。今回は割引をテーマに、お金以外のコストにも目を向けていきましょう。 割引のメリット 購入者の視点でのメリットは、何といってもお金を節約できることでしょう。 お弁当の場合、半額シールが貼られれば、本来必要な額の半分のお金でお弁当を手に入れることができます。 20時を過ぎたら、などといった条件はありますが、タイミングが合えばお得に買い物ができます。 割引のデメリット では逆に購入者の視点でのデメリットは何でしょうか。メリットの中で少し触れましたが、「条件がある」という点です。 この条件とは通常、お金以外の面で、何かしらの割引の金額に相当する要素がある、ということです。 例えば、上のお弁当の例では、20時を過ぎたら半額、といった条件があります。大体のスーパーでは、遅くとも15時や16時には夜に並べる分のお弁当を作っています。 そこから20時まで並んでいたお弁当となると、自分の好きなお弁当は残ってない可能性が高い、作ってから時間が経っている、他の人が買わなかったので人気が無い、という負の面があります。 こうした負の面があることから、購入者にとってのお金の面でのコストを下げて販売しているのです。 お店にとっては、お金だけ見れば損でも、売れ残って廃棄するよりはマシですよね。なので、こうした「条件」を付けることで、金額を下げているのです。 条件が許容できるかどうかが大事 余計なコストを支払わないためには、こうした背後にある条件を一度洗い出し、それを受け入れられるかを考えるのが大事になってきます。 お弁当の割引 お弁当の場合は、背後にある条件はそんなに目立ちません。 半額弁当を狙う場合は、食べたいものを食べるというよりは、安く買えるものを食べる、という方針でいることが多いと思います。 このとき、作ってから時間が経っていたり、他の人が買わなかったり、というのは許容できますよね。 携帯電話の割引 これがもし携帯電話の契約だったらどうでしょうか。 広告を見れば、本体は実質0円、なんてこともありますよね。この「実質」には実に様々な「条件」が隠れているのです。 「2年間は解約してはいけない」だったり、「オプションに入らなきゃいけない」だったりと、いろいろとお店の人に言われたことのある人も多いのではないでしょうか。 オプションは2か月後に解約できます、というのは面倒くささと引き換えに割引してもらったようなものです。 2か月後にオプションを解約する、と覚えておくことだって、貴重な脳のリソースを割いているのです。オプションの解約を忘れた日には、結局普通に買った方が安かった! なんてことも。 無料でもらえます! もっと割引して、無料でもらえます! なんてのはどうでしょう。 お金を払わなくて済んだからラッキー? いやいや、お金を払っておいた方が良かった、ということも多いんですよ。 例えば、店頭でアンケートに答えたらお菓子をあげます、なんていうCMがあったとします。実際に店頭に行ってみると、簡単なアンケートと称して名前、生年月日、住所や電話番号まで書かされることもあります。 また、その場で新しい料金サービスやクレジットカードの説明をして、入らないとお菓子がもらえないような雰囲気を作り出します。 このように「無料でもらえます!」という手法は、お店があなたに対してセールスをかけるために使われるのです。お菓子と引き換えに、あなた自身の情報をお店の顧客リストに登録してしまったようなものです。 返報性の原理 心理学の言葉に、「返報性の原理」というものがあります。 人は、他の人に何かいいことをしてもらったら、いいことをお返ししないといけないと思ってしまう、という心理を説明した原理です。(もちろん、いいことに限らずですが、今回は割愛) 今回の例では、お菓子を無料であげます! というお店の好意を受けてしまった場合、アンケートを頼まれたら「まぁそれくらいなら……」と思ってしまいますよね。 場合によっては、「サービスの説明だけさせてもらってもいいですか?」と言われることも。そのまま店員の強引な話術に引っ張られて契約まで……というのもあり得る話です。 このように、先に店が「いいこと」をしておくことで、あなたが「いいこと」を返しやすくするという返報性を利用しているのです。 100円で顧客が獲得できるなんて、お店にとっては費用対効果が抜群ですね。こう考えると、只より高い物はない、というのも納得できます。 背後の条件を考える こんな風に、割引の背後にある条件を考えるのは大事なことです。 その条件によるコストは、果たして金額の割引として十分か、そこまで考える癖をつけると、余計な面倒を背負いこまなくて済みます。 割引で買うのは冷静に考えてから 安い、というのは購入者にとっては嬉しいことです。しかし、なぜそこまで安いのか、理由を考えるのも大事なことです。 お店の人が採算度外視しているから、ということも稀にあるでしょうが、大体は別の面で購入者にとってのコストがかかっています。 多くの人は、お金の面でのコストばかりに目が行きがちですが、労力、品質、時間など、別の面でコストを支払っていることも考えないといけません。 そうしたコストを考えてみて、それが許容できると判断できたときに、割引で買うのがいいでしょう。 実際には、このように冷静に考えてもらっちゃうと、お店にとってはあまり良くないんですよね。買ってもらえなくなっちゃうので。なので、タイムセールだったり、時間限定だったりと、冷静に考える時間を無くす仕組みがあったりするのです。 彼らも商売なので、こういったことがあるのはある意味しょうがないものとして、それを知った上で冷静に対応するのがスマートですね。 まとめ 身近な例を挙げながら、お金以外のコストに目を向けました。割引がお得かどうかは、背後にある条件が、割引された金額に見合っているかどうかを考えた上で判断できます。 割引の内容を考えることで、お金以外のコストを考えるトレーニングになります。