読書の1番の効果は、他人の経験を知識として吸収できること 2016 11/30 Updated 2018.03.10 2016 11/30 Published 2016.11.30 / とど \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 読書の1番の効果は、他人の経験を知識として吸収できること とど B! リンクをコピーする 読書すると何がいいの? と小学生時代につぶやいたことのある方も多いでしょう。読書に慣れていない頃は、なかなか自分から進んで読書を行うことも少ないため、その効果について疑問視しがちです。 その疑問に対して私の答えをぶつけるならば、「他人の経験を知識として吸収できること」です。 これってすごいことですよ! 読書をしなかったら、自分の体験からしか学べませんから、発想はその範囲に収まることが多いでしょう。しかし、他の人の経験を知識として吸収できたならば、あなたの経験に加えて、もうひとり分の経験を得ていることになります。単純計算で、発想の幅は2倍に。うーん、すごい。 目次 1. 他人の経験に学べ!2. 口伝との違い3. 本は経験の集約されたメディア4. 小説などでは表現方法も経験のひとつ5. 他人の経験を学んだら、自分の経験と結びつける6. まとめ 他人の経験に学べ! 鉄血宰相と呼ばれたドイツの宰相、オットー・フォン・ビスマルクは以下のように述べたと言われています(Wikiquoteより)。 愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。 自分の経験から学ぶ。確かにこれも大事だけど、他人の経験から学ぶのも大事だよ、というのは100年以上前から言われていることなんですね。 例えば、フグは毒のある魚として知られています。あなたがこの魚を食べたいと思っても、自分の経験だけで判断しようとしたら、そもそも毒があることすら知らないで、他の魚と同じように塩焼きにして食べてしまうかもしれません。 しかし、フグに関する本を読めば、彼らが毒を持っていることや、その調理法まで載っています。これらは、先人たちの経験が集約されたものですね。 フグの毒にあたるという誤りを避けるため、先人たちの経験が集約された本を読むというのは確かにそうですね。 口伝との違い 他人の経験を知るだけなら、本じゃなくてもいいんじゃない? というのはごもっとも。その人に聞けば、その人自身の経験を知ることができるでしょう。 しかし、それはその人と同じ時代に生きている人だけの特権です。例えば、江戸時代の国学者である本居宣長の経験を知りたい! と思っても、現代の私たちは彼の経験を聞きに行くことができません。 もし本があればどうでしょう。江戸時代に生きた本居宣長は、古事記を研究、解読した『古事記伝』を本として著しました。その本は現代にも残っているため、彼が研究を行った経験が残されています。 そう、時代が違ったとしても、先人の経験を知ることができるのが本なのです。 本は経験の集約されたメディア 何らかの文章を書いたことのある人なら経験があると思いますが、文章として書くにあたって、内容をまとめる必要があります。経験したことをただ単に書き連ねても読み手には伝わりませんから、整理して、伝わりやすく、その人の経験の大事な部分を伝えるのです。 本に書かれるのは多くの場合、その人のひとつの経験だけではなく、それまでの人生経験の積み重ねです。すると、その人の経験の積み重ね、つまりその人の人生経験の中で重要な部分を読み取ることになります。 これはつまり、その人が人生をかけて経験したことを本を読む時間だけで知ることができるということです。20年、30年かけて培われた考え方が、読書にかける数時間、数十時間で知識として吸収される。こう考えると、読書はめちゃくちゃ効率のいい知識の身に付け方です。 もちろん、本を読んで終わりではなくて、自分の経験の一部に変える作業はありますが、それでも他の人が人生をかけて経験したことに比べれば、はるかに短い時間です。 小説などでは表現方法も経験のひとつ 経験を集約したものが本になっていることを考えれば、小説も経験の集約です。登場人物の考え方の中には、作者の人生経験がにじみ出ることがあるでしょうし、その文章表現は人生経験の表れです。 その作者が生きてきた中で獲得した語彙が文章中にちりばめられているので、そこから言葉を獲得することもできます。 言葉そのものや、伝えるための文章の運び方など、作者が長い時間をかけて経験した表現には、学べることがたくさん詰まっています。 他人の経験を学んだら、自分の経験と結びつける 他人の経験をただ単にエピソードとして知っただけでは、自分の今後に役立てることは難しいでしょう。自分の経験と照らし合わせながら、作者の経験を想像の中で追体験することで、自分の血肉となります。 人間の体が食べたもので出来ているように、自分の経験は身に付けた知識で出来ているのです。血肉となって初めて、自分が活かせるものになります。 まとめ 読書の1番のメリットは、他人の経験を知識として吸収できることです。吸収するということは身に付いていること。 ただ本を読んだだけでなく、そこから得た知識を自分のものに変えることで、このメリットを最大限に活かすことができます。 よし、本を読もう!