教え合うことで互いの理解を深めるのも勉強方法のひとつ 2016 10/26 Updated 2018.03.10 2016 10/26 Published 2016.10.26 / とど \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 教え合うことで互いの理解を深めるのも勉強方法のひとつ とど B! リンクをコピーする 人に物事を教えるためには、3倍の理解が必要、とよく言われます。この3倍というのはものの例えであり、厳密に3倍だ! といった定義はなかったように思います。 しかし、少なくとも教えようとしている側は、教えられる側よりも多くの知識、理解が無ければ、教えることはできないでしょう。ただ単に教科書を読んでいるだけでは、教えていることにはなりません。 教科書に書かれていることだけでなく、教える側がその部分で疑問に思って解決した過程などを交えることで、内容に厚みが出ますし、同じ疑問を持つ人にとっての足掛かりとなるでしょう。 ここでは、少人数での教え合いを使った勉強方法を紹介します。 目次 1. 教え合い勉強法の概要2. 教え合い勉強法の進行3. 教え合い勉強法の注意点4. メリット5. デメリット6. まとめ 教え合い勉強法の概要 その名の通り、お互いに教え合う勉強方法です。 まずは2人、あるいは3人グループを作ります。なるべく人数が少ない方がやりやすいと思います。このうち、誰かひとりが先生役をやります。他の人は、その人の説明を聞く役です。 時間で区切る、または分野、章、ページ数で区切って、それぞれで先生役を交代するようにします。先生役は、教科書をベースにしてもいいですし、余力があれば自分で資料を作成してもいいでしょう。 最初は教科書をベースにすると、ハードルが上がらなくていいかもしれません。 教え合い勉強法の進行 まずは先生役が進行します。教科書を読むだけでなく、より重要な部分に時間を割くようにしましょう。重要かどうか判断するポイントは、先生役の人が勉強する際、詰まったかどうかです。 先生役の人がすっと理解できた部分は、先生役の人にとってはあまり説明を必要としない部分でしょう。逆に、先生役の人が理解に苦しんだ部分は、どうやって理解したか、時間を割いて説明しましょう。 誰かが詰まったところは、他の人も同じように詰まる可能性が高いです。自分の経験をもとに、他の人が理解しやすいように説明する、というのが大切です。 ここで、聞き役の人は、先生役の人の説明で分からないことがあったら質問を行いましょう。その際、疑問点を明確にするのがポイントです。 漠然と「分からない」とだけ言われても、先生役の人にとっては、どう分からないのか分からない状態になってしまいます。分からない、にもいろいろな段階があります。 何と言ったのか聞こえなかった 聞こえたけど、言葉の意味が分からない 言葉の意味は分かるけど話のつながりが分からない 教科書にないこのパターンはどうなの? このような考え方を軸に、疑問点を明確にして質問を行いましょう。先生役の人は、質問が来たら喜んで答えましょう。「ハイヨロコンデー!」の精神です。 この質問によって、先生役の人は、自分の理解度を確認することができます。自分の言葉で説明できれば、その部分はちゃんと理解できている、と考えていいでしょう。 逆に、教科書通りの説明しかできない場合は、理解が十分でない可能性があります。その場合は、その会が終わった後に必ず勉強しなおす、または調べ直して、聞き役の人に教えるようにしましょう。 目的は、会を乗り切ることではなく、テーマに対する参加者の理解を深めることなので、答えられなくても気に病む必要はありません。 後で勉強しなおす、調べなおすことで理解すればいいのです。 教え合い勉強法の注意点 気を付けなくてはいけないポイントは、相手を責めないということ。 「全然わかってないじゃん」とか、「なんで分からないの」といった言葉が出てくると、お互いに嫌な気持ちになります。 理解を深める過程で分からない部分を明確にするのも、この勉強方法の目的のひとつなので、相手が分かってくれないからといって責めることは避けましょう。 メリット この勉強方法のメリットをまとめると、以下が考えられます。 自分の言葉で説明するため、先生役の理解が深まる 聞き役にとって気軽に質問できる環境のため、疑問を解消しやすい その質問によって、先生役の理解度を測ることができる 1点目は、理解度を高める観点で大きなメリットです。教科書の受け売りではなく、自分の言葉で説明できると、理解が深まるのです。 2点目は、普段の授業に比べての質問のしやすさに関するメリットです。普段の授業では、1人の先生に対して30人程度の生徒がいます。 このとき、授業の流れを遮って質問をするのはためらわれることもあると思います。この勉強方法では、そのハードルを下げ、気軽に質問できるようになっています。 3点目は、先生役側のメリットです。質問に対して、相手が納得できるように答えられるかは、理解度を測るポイントとなります。 たとえ答えられなくても、先生役の人が勉強するきっかけとなるので、聞き役が質問してくれるのはありがたいのです。 デメリット 逆に、デメリットとしては以下のものが考えられます。 準備に時間がかかる 間違った説明をして間違った理解をしてしまう可能性がある 1点目については、労力に関するデメリットです。物事を分かりやすく説明するためには、いくらかの準備時間が必要です。 ポイントを明確にしたり、伝わりやすい言葉を考えたりといった時間が必要になります。ただし、これは理解を深める過程で発生するものなので、メリットと表裏一体のものです。 2点目については、完全に避けることは難しいでしょう。そのため、万全を期したい方は、先生に協力を依頼するのもひとつの手です。 この場合は、長時間、長期間となると難しいので、説明したい内容、ポイントを事前に先生に確認しておく、答えられなかった場合は先生に確認する、などといった形で協力依頼してみるといいでしょう。 まとめ お互いに勉強を教え合う、教え合い勉強法を紹介しました。実はこれ、大学に行ったらゼミでやることになる方法です。 理解を深めるにはもってこいの方法なので、ぜひ1度試してみてほしいところ。