質問は相手への思いやりも必要。理解のために質問する力を磨く 2016 10/27 Updated 2018.03.10 2016 10/27 Published 2016.10.27 / とど \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする 質問は相手への思いやりも必要。理解のために質問する力を磨く とど B! リンクをコピーする 質問する力、と漠然と言っても、なんのこっちゃですね。ここでの「質問する力」とは、適切な質問をする力、という観点で使っています。 適切な質問とはなんでしょうか。質問を畳みかけない、ポイントを捉えた質問をする、周りの人にとって有益な質問をする、これらを踏まえた質問が適切だと考えられます。 こうした質問を行うには、思いやりの気持ちが必要なのです。この点について考えてみたいと思います。 目次 1. 質問をしてみよう2. とはいえ、質問をし過ぎない3. 適切な質問をする3.1. 質問を畳みかけない3.2. ポイントを捉えた質問をする3.2.1. 何と言ったのか聞こえなかった3.2.2. 聞こえたけど、言葉の意味が分からない3.2.3. 言葉の意味は分かるけど話のつながりが分からない3.2.4. 教科書にないこのパターンはどうなの?3.3. 周りの人にとって有益な質問をする4. 質問は思いやりが大切5. まとめ 質問をしてみよう 授業で分からないことがあったとき、授業中、または授業後に、先生に質問をしていますか? 「後で自分で調べればいいか」なんて考えて、そのまま忘れちゃったりはありませんか? 私はよくありました。 人に聞けばすぐに分かる、なんていうことはよくある話です。自分で考えて答えを出すのはもちろん大切ですが、一方で、ずっとそのことを考えている時間もない、というジレンマもあります。 じっくり考えることと、すぐに答えを出すこと、2つの考えの板挟みになるのです。 個人的な考えとしては、少し悩んで分からないものは人に聞く、というスタンスが良いと思っています。 この「少し」も人によって異なりますが、私は15~30分程度を目安にしています。授業が終わって、2,3回休み時間をはさんでも分からなかったら、放課後、部活の前に先生に聞くという感じです。 この30分程度の時間でできるのは、教科書を見直したり、ノートを見直したり。それで分からなければ先生に聞いてみる、というのがスムーズかもしれません。 もちろん、友人に聞いてみるのもいいと思います。 とはいえ、質問をし過ぎない 上と逆のことを言うようですが、質問をし過ぎるのもあまり良くないのです。 上の場合は、全く質問をしない人が、するようにするための考えです。0を1にするようなイメージですね。しかし、今既に質問できるようになっている人は、質問し過ぎないことを考えましょう。 確かに、質問をすれば答えは返ってきます。しかし、なんでもかんでも質問をしていると、「ちゃんと授業を聞きなさい」とか、「少しは自分で考えなさい」と言われてしまい、その後に質問をしても、すぐに答えてもらえなくなる場合があります。 質問をするにしても、その前に自分で考えることが重要なのです。 適切な質問をする やたらめったら質問をしないようにするためには、適切な質問をする必要があります。適切な質問とは、以下を踏まえた質問であると考えられます。 質問を畳みかけない ポイントを捉えた質問をする 周りの人にとって有益な質問をする それぞれについて見てみましょう。 質問を畳みかけない これは質問される側の気持ちを考えれば分かりやすいと思います。 疑問に思ったことをまとめずに、どんどん質問されてしまうと、どう答えたらいいか分からなくなってしまいますよね。 ですので、最初に質問がいくつあるのか、相手に伝えるといいでしょう。さらに、1つ1つ答えを聞いていくのがベストです。 1つ1つ答えを聞いていくことで、後の質問をしなくても良くなった、なんてこともありますよね。なるべく相手の負担が少なくなるようにすると、相手も気持ちよく答えることができるはずです。 ポイントを捉えた質問をする 質問をするときには、何が分からないのか明確にしておきましょう。教え合い勉強法のページで「分からない」にも段階がある、と少し触れましたが、これについて再度見てみましょう。 分からないの段階の例として、以下のものが考えられます。 何と言ったのか聞こえなかった 聞こえたけど、言葉の意味が分からない 言葉の意味は分かるけど話のつながりが分からない 教科書にないこのパターンはどうなの? 必ずしもこの4段階である訳ではありませんが、自分がどう「分からない」のか、質問する前に把握しておくことは大切です。この段階を把握することで、質問のポイントを捉えることができるのです。 何と言ったのか聞こえなかった これは、音声として聞こえなかった状態です。授業中、ふと意識を外した瞬間に起こりやすいですね。 そもそも相手が言ったことを聞き取れていないので、考えても答えが出てこないことが多いです。その前後の文脈で推測できることもありますが、恥を忍んで聞いてしまうのがいいですね。 次からなるべく、聞き漏らさないことを心がけましょう。 聞こえたけど、言葉の意味が分からない この状態は、内容が理解できない状態です。音声としては聞き取れた、でも何を意味しているのか分からないから、メモだけは何とかできる、みたいな状態ですね。 授業では多くの場合、新しい単語が出てきた場合は、先生によって解説されます。そこで解決することが多いですが、解説のされ方によっては、内容が十分に理解できないこともあります。 これは、今までの情報を振り返るなど、自分で調べることで解決できることが多いです。 言葉の意味は分かるけど話のつながりが分からない この状態は、上2つと比べると、少し進んだ段階の「分からない」ですね。全体像を意識できているという点で、上2つとは異なる「分からない」です。 音声として聞き取れた、その内容も分かった、でもなんでこの考え方が出てきたのか分からない、という状態です。 多くの場合、先生が話の流れを作ってくれて、なぜその考え方が出てきたのかを説明してくれると思いますが、稀にそれが抜けることもあります。 その時は、少し自分で考えて、それで分からなければ聞く、というやり方が一番自分の力になります。 教科書にないこのパターンはどうなの? これは上よりさらに発展した状態です。話の流れまで理解し、その応用例を自分で想像できるようになった段階です。 ここまでくると、先生も喜んで質問に答えてくれるでしょうし、あなたの理解度もかなり高い状態と考えていいでしょう。 先生は、その教科が好きで先生になっていることが多いので、自分の好きな教科についての深い理解がベースにある質問は歓迎してくれるでしょう。 周りの人にとって有益な質問をする 授業中に先生に質問する場合は、少々難しいですが、周りの人にとって有益な質問をできるようになると、あなたのレベルもさらに上がるでしょう。 有益な質問とは何かを考える前に、先に無益な質問を考えた方が分かりやすいかもしれません。周りの人にとって無益な質問とは、聞いていてもためにならない質問です。 例えば数学の授業で、「先生って何歳ですか」とか、「今日の朝食は何でしたか」といった質問をするのは、授業の中で聞く必要がないし、聞いている人のためにならないですよね。 流石にこれは極端すぎる例ですが、授業のテーマに関係のない質問をすると、その分授業時間が削られてしまいます。そうすると、関係ない質問で得るものが無いにも関わらず、授業時間が削られることで、先生も駆け足になり、場合によっては説明を省いてしまうことも考えられます。 これを避けた、有益な質問ができるようになると、みんなが良い思いをすることになります。 たとえ単語の意味を聞くような質問でも、他にも意味を理解できていなかった人もいるかもしれませんし、理解できている人でも今一度聞くことで記憶が強化されます。 授業している教室の空気を読みながら、ゆくゆくはそうした質問をできるようになるといいでしょう。 質問は思いやりが大切 質問をするのは大事ですが、ただ質問をすればいい訳ではありません。結局のところ、質問をするには、相手や周りへの思いやりが必要です。 先生たちも、質問を受けるのは仕事のうちとはいえ、質問に答えるのは当然、なんて気持ちで来られても困りますよね。できればお互いに気分よく答えてあげたいと思っているはずです。 ですので、いきなり上で書いたことを実践するのは難しいとしても、質問をするときは相手への思いやりを忘れないようにするのが大切です。 その心があれば、自然とポイントを捉えた、適切な量の質問を行えるようになります。 まとめ 質問をして理解を深めるのは大事なことですが、質問をするときに相手への思いやりの心を忘れないようにしましょう。 質問に答えてくれるのは当然のことと考えず、相手の厚意に感謝しつつ、適切な質問を行うのが大切です。