
愛宕神社と言えば日本各地、津々浦々に同名の神社がありますが、ここでは東京都港区にある愛宕神社をご紹介。この愛宕神社は急な階段で有名で、「出世の石段」とも呼ばれています。
東京都内、特に23区内で、この愛宕神社のように山になっているところは珍しく、高層ビルが無かった時代には江戸を見渡すことができたのでしょう。
遠い記憶に思いを馳せながら、出世の祈願!
愛宕神社について
ここでは東京都の愛宕神社を対象としてご紹介。日本全国にある愛宕神社の本社は、京都市にある愛宕山の上にあります。
東京都の愛宕神社の主祭神は火産霊命(ホノムスビノミコト)。火産霊命は日本書紀での呼び方で、古事記では火之迦具土神(ヒノカグツチ)といった名前で呼ばれています。ゲームとかだとこっちの名前がよく出てきますね。
場所とアクセス
東京都港区に位置します。
都心だけあってアクセスはかなり良いです。最寄駅は以下の通り。
- JR・新橋駅
- 東京メトロ銀座線・虎ノ門駅
- 東京メトロ日比谷線・神谷町駅
- 都営三田線・御成門駅
一番近いのは神谷町駅です。そう言いながら、私は同じ日に浜離宮恩賜庭園にも行ったので、新橋の方からゆっくりと歩いていきました。
入場料と施設
敷地に入るための入場料はありません。
参拝をする場合は5円玉や100円玉を握りしめて行きましょう。境内には弁財天社といった末社もあるので、時間があればそちらにもお参りするといいですね。
その他情報
その他の情報は、愛宕神社のWebサイトをご覧ください。
愛宕神社で見ておきたいポイント
愛宕神社と言えば、出世の石段です。まずはこれを上りましょう。
出世の石段
上ると出世できると言われている階段です。歩いて上るのだってちょっと怖いような急な階段ですが、徳川家光の時代に、なんと馬で上ったという猛者が居たそうです。
その人は曲垣平九郎という人で、家光公に坂の上の梅を献上したことで、その馬術の腕を覚えてもらったそうです。
偉い人の覚えが良い、というのは出世する上で有利に働きますよね。今で言う所の、超一流企業の社長とか会長に認められたようなものです。
その故事にあやかって、出世の石段を上る人が後を絶ちません。なお、愛宕神社のWebサイトによれば、昭和57年にもテレビの特番で馬で上った人がいたようで。すごい。
ちなみに上から見るとこんな感じ。足を震わせながら写真を撮りました。これを馬で下りるとかむり。
故事から学ぶべき教訓
石段を上ったから出世できる! という考え方から一歩踏み込んでみましょう。何故、曲垣平九郎が出世できたのでしょうか。
家光公が「誰か坂の上の梅を取って来てくれ」と家臣に言った際、他の人が坂を上るのを躊躇っているときに、彼は率先して馬で駆け上がりました。
彼のすごいところは、落ちたらケガするかもしれない場所に勇気をもって足を踏み出したこと、馬で階段を上れるほどの技術を持っていたことです。
その時点までに十分な技術を磨いていた、つまり十分な準備をしていた、という点に私は感銘を受けています。
どの俳優の話か忘れてしまいましたが、元々ちょい役だったその彼は、主役から端役、全ての役のセリフや演技を覚えていたそうです。たまたま主役が倒れたときに、彼がセリフを覚えていたことから主役に抜擢された、なんて話もあります。
そう、いつか来るチャンス、つまりあなたにとっての出世の石段に出会ったとき、十分な技術(準備)があれば、上のステージに辿り着くことができるのです。
この故事から学ぶべき教訓は、いつか来るチャンスを掴むために準備をせよ、ということです。ただ上ったから出世するのではなく、この教訓を得るからこそ、あなたも出世するのです。
招き石
社殿にお参りする手前に、招き石があります。この石を撫でると、福が身に付くそうです。なでなで。
みんなが撫でているからか、一部つるつるになっていました。他の部分を見れば元々はざらざらしていたことが分かるので、長い年月の間、人々になでなでされて丸くなったことが窺えます。
弁財天社
火の神様が主祭神ですが、水の神様も一緒に祀られています。
水の流れる音が心地よく、階段を上り終えた後の疲れを癒してくれます。鯉も泳いでいるので、眺めているだけでも癒されますね。
にゃんこ様
社務所の前でまったりとしているにゃんこ様。
人がいるのも気にせず、彼らは気の向くままに過ごしていました。あの動じない姿が「堂々としていなさい」と勇気を分けてくれます。
ヴァーチャル参拝
なんと、ITの進歩により、ヴァーチャルな世界で愛宕神社にお参りできるようになりました!やってみたい方はこちらから→ヴァーチャル参拝
……うん、写真を見ていくだけですね。といっても、この写真、綺麗なんです。
写真の光の加減から察するに、朝早くの人がいない時間帯に取られたものかと思いますが、朝早くの「これから1日が始まるよ!」という感じが伝わってきます。出世の階段と共に、参拝者のこれからの隆盛を暗示するような写真となっています。
実際に行ってみる前に、イメージを膨らませるためにも一度ご覧ください。
まとめ
東京都港区にある愛宕神社について紹介しました。出世の階段のインパクトは是非その目で確かめていただきたところ。
ビルが立ち並ぶ中にぽっかりと空いた癒しスペースなので、これからの隆盛を祈りつつ、気持ちを落ち着けてみるのも一興です。