
物事を知っている事と、それが出来るという事の間には、どのような違いがあるでしょうか。
物事を「知っている」状態は、その物事に関する知識がある状態ですが、いざその知識が必要になったときに、本当に使えるかどうかは分かりません。
それが「出来る」という状態ならば、知識を使う場面になっても、「出来る」ことが分かっているので不安はないですよね。
この違いは、検証してあるかどうか、という点です。検証とは、実際に使ってみて、こうした知識や仮説を証明することです。
数学に例えれば、「公式をただ知っている状態」と「その公式を使って問題を解くことが出来る状態」です。問題を解く作業が公式の検証に当たります。
こうしてみると、知っているからと言って、それが出来る事とはイコールではないことが分かります。だからこそ、「知っている」状態で立ち止まらず、使ってみて「出来る」状態にするのが大切です。今回は、この点について考えてみたいと思います。
検証で「出来る」に変える
冒頭の数学の例では、公式について「知っている」と「出来る」の違いを挙げました。公式の検証として、その公式を使って問題を解いてみる、という行動が有効です。
実際に問題を解いてみると、公式のどの文字にどの値を代入すればいいのか、自分の手を動かして確かめることになります。そうした中で、間違えやすい点や、ちょっと工夫が必要な点が見えてきます。
検証によって、「知っている」を「出来る」に変える過程では、情報が増えるため記憶も強化されます。記憶を強化するためには情報をリンクさせると良い、という点は別のページで紹介しましたが、検証はこれを行ってくれるのです。
そして、この「検証した」という事実が、「出来る」の説得力を増すのです。
「知っている」と「出来る」では説得力が違う
例えば、あることを頼まれたときに「それについて知っているから多分大丈夫です」というのと、「それはやったことあり、その時にも出来たから大丈夫です」というのでは、後者の方が安心して何かを任せられますよね。
ただ「知っている」だけでは、その作業をしたり、知識を使えるかどうか分からない、でも「出来る」ってことは検証した事実があるから、その作業や知識は使える可能性が高いと言えます。
検証したことがある、というのは大きな裏付けにもなります。
数学で言うと
数学の例で言えば、「公式を知っているから、テストも何とかなります」と「問題を通して公式の使い方も確認したので、テストも何とかなります」という違いです。
他の人の立場を考えれば、前者のセリフが飛んで来たら「いやいや大丈夫じゃないよねそれ」となるはずです。
それだけ検証しておくこと、覚えた知識を使う事には説得力があるのです。
知っただけで終わらせない
物事を知っただけでは、まだスタートラインに立っただけ、と心得ましょう。様々な知識を頭に入れ、それを使えるようになってこそ、意味があるのです。
勉強に限らず、何かの本を読んだときにも、そこで得た知識を活用してみましょう。
実践、検証を通して、その知識を自分自身の血肉とするのです。そうすることで、知識自体の記憶も強化され、より心に残るようになります。
子供に学ぶ
小さな子供達は、覚えたての言葉をどんどん使っていきます。私たちが学ぶべきは、その精神なのです。
私たちも、小さい頃はそうやって言葉を覚えていたはずなのです。一度やっていたことだし、どんどん言葉を使うという「検証」を通して、言葉使うことが「出来る」ようになった経験も私たちの中にあります。
ですので、小さな子供が行うように、覚えたての知識を使っていくのが大切です。
どんどん知識を使う
どんどん知識を使う、という観点でいえば、語学留学はとても有効な手段です。
例えば英語圏に留学する場合、英語を使わないといけない状況に飛び込むことになります。
その中で、今覚えている言葉を駆使しつつ、小さな子供のように新たに覚えた言葉を使うことで、その使い方を学んで英語を身に付けていくのです。
このように、勉強の範囲内だけではなく、他にも検証の手段がある分野もあります。
まとめ
物事に関する知識を得ただけでは、まだスタートラインに立ったのと同然です。
その知識を使って、検証を行うことで身に付いたと言えるのです。検証を行うという「もう一歩」を踏み出すことで、あなたの知識や理解が深まっていきます。