
今回は、お金に対する戦略と管理方法、特に投資の考え方を時間に対して応用することを考えていきます。
このテーマもいささか長くなったので、以下の3つのパートに分けています。
- 投資するということ
- 具体的に時間をどう投資するのか?
- 投資によって浮いた時間の使い方
ここでは、「投資するということ」について考えていきます。
そもそもの話
そもそも投資とはいったい何でしょうか。デジタル大辞泉によれば、投資とは以下のように記載されています。
利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。
株を買ったり、土地を買ったり、金を100g買ってみたり、といった行為が投資にあたります。この記事を読んでいる方であれば、投資を行っている方も多いかもしれません。
時間の投資?
投資の意味については分かりました。では時間を投資する、とはどういうことでしょうか。
具体的な例を考えてみましょう。
以下の例は、IT革命が叫ばれて20年近く経った今日からすると、IT革命返しの如き状況ではありますが、そこには目をつむっていただけると幸いです。
ある会社で働いているAさんは毎日、売上データをExcelに入力する仕事を行っています。
一通りデータを入力した後は、手作業でコピー&ペーストし、顧客ごとに集計・印刷用のシートを作成しています。
100人の顧客ごとにまとめる作業は負担が大きく、毎日4時間かかっています。
ある時、AさんはExcelでマクロを使えることを知り、うまく使えれば4時間の業務が1時間に短縮できると上司に提案しました。
上司の許可を得て、Aさんは8時間かけてマクロを作成し、業務を短縮することができました。
投資のイメージ
上記の例では、マクロ作成の8時間を投資として費やしています。その結果、4時間かかっていた集計が1時間で終わるようになり、残りの3時間は別の仕事のために充てられるようになりました。
「100人の顧客データを集計していた4時間」と、「100人の顧客データを集計できる1時間 + その他の仕事3時間」では、後者の方が多くの仕事を行えるという観点から、価値の高い4時間になったと考えられます。
8時間の投資を行うことで、元々の4時間の価値を高めることができたことになります。
また、Aさん個人で見た場合、投資した8時間は、マクロ導入後に浮いた3時間 * 3日で回収できています。(他にも同じ作業をしている人がいれば、その人にマクロを渡すことで、3時間 * 2人 * 1.5日、といったイメージで回収可能です。)
最初に費用(コスト)を投下し、将来的に利益を生む。これが時間の投資のイメージですが、やっていることはお金の場合とほとんど変わっていませんね。そう、時間についても、お金の投資の考え方が使えるのです。
今回は時間の投資のイメージについて見ていきました。次回は「具体的に時間をどう投資するのか?」という点について考えていきます。