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時間とお金(Time is money!) ―時間とお金の類似性―

    
time is money
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時間とお金(Time is money!) ―時間とお金の類似性―
time is money

「時間の把握」ができたら、次は時間の配分を考えましょう。時間の配分について考える際、あなたが普段の生活で使うお金との類似性を見ていくことで、お金に対する戦略が時間にも応用できることに気付くでしょう。

このテーマは以下の2回に分けて述べていきたいと思います。

  • 時間とお金の類似性
  • 時間の管理はお金の管理

今回は、前者の「時間とお金の類似性」という点について見ていきましょう。

時は金なり

「時は金なり」という言葉があります。

デジタル大辞泉(機能提供はgoo辞書より)から引用すると、以下のように記載されています。

時は貴重であるからむだに過ごしてはならない。

日本では、時間はお金のように貴重だから大事にしましょう、といった意味で使われることが多いですね。

「時は金なり」は誰の言葉?

さて、この原文はと言うと、アメリカの政治家であったベンジャミン・フランクリンの「若き商人への手紙」の一節にある「Time is Money.」です。

原文を読むと、ベンジャミン・フランクリンは、上記の日本での使われ方とはまた別の意図を持っていることが分かります。ただしここでは、日本語の意味と、ベンジャミン・フランクリンの意図のどちらが正しいか、という観点ではなく、どちらも時間とお金の類似性を掘り下げるための材料である、という観点で議論をしていきます。

Founders Onlineから引用すると、「Time is Money.」が含まれる段落は以下のようになっています。*1

Remember that Time is Money. He that can earn Ten Shillings a Day by his Labour, and goes abroad, or sits idle one half of that Day, tho’ he spends but Sixpence during his Diversion or Idleness, ought not to reckon That the only Expence; he has really spent or rather thrown away Five Shillings besides.

おおまかに訳してみると以下のようになります。

時は金なり、ということを覚えておいてください。
1日働くと10シリング(お金の単位)稼げる男の人が居るとしましょう。
彼が半日出かけたり、だらだらして、そこで6シリング使ったとすれば、ただ6シリングを使っただけでなく、(半日の労働で得られたはずの)5シリングも余計に失ったのです。

意図を読み取ってみる

ベンジャミン・フランクリンの意図を読み取ると、「何かをする場合は、それを選んだことで諦めたものがあることを考えよう」という、経済学の機会費用の考え方が表れています。

上記の例では、時間とお金を交換している人、つまり賃金を得て働いている人の場合、半日遊んだことで、本来得られるはずの半日分の賃金を諦めたことになります。

ベンジャミン・フランクリンの例ではお金について議論していますが、この機会費用で言っている「費用(コスト)」とは、必ずしもお金のことだけを指しているのではなく、時間体力などの金額で測ることのできない費用(コスト)も含まれます。

そのため、時間とお金、どちらについても費用(コスト)という考え方が導入できるのです。

時間は有限の資源

多くの人にとって、時間もお金も、上限の違いはあれど有限の資源です。

お金の観点で見てみれば、日本において大学卒の男性サラリーマンの平均生涯賃金が約2億5000万円 *2 ですから、多くの人にとってはこれがお金の上限となるでしょう。(中には、Forbesのランキングに入る方々のように、約160億ドルの資産を持つ *3 方もいらっしゃいますが、今回は目を逸らしておくことにします。)

時間の観点で見てみれば、2013年の日本人の平均寿命は約84年 *4 なので、多くの人にとってはこれが時間の上限となるでしょう。

有限であるからこそ、全てを得ることはできないので、価値のあるものと交換していく必要があるのです。そしてこの価値とは、交換のレートとも言えるでしょう。例えば、時給900円のアルバイトであれば、その人が持っている「1時間」をお金である「900円」に交換しているのです。

類似点を見出してみる

このように見てみると、時間とお金は類似している点があります。

  • 1人の人間が持つ量に限りがある(希少性がある)
  • 費用(コスト)として支払うことができる(交換の材料)
  • 価値の指標となる

詳細な特徴の比較については別の機会に譲りますが、上記の点から、時間とお金は似ていると言えます。

次回は「時間の管理はお金の管理に似ている」というテーマで、時間とお金の類似性の考え方を発展させ、戦略を考える足掛かりを作りたいと思います。

参考文献

*1 Founders Online. Advice to a Young Tradesman, [21 July 1748]. Retrieved from http://founders.archives.gov/documents/Franklin/01-03-02-0130

*2 年収ラボ, サラリーマンの生涯賃金・生涯年収特集, Retrieved from http://nensyu-labo.com/heikin_syougai.htm

*3 Forbes. Japan’s 50 Richest People. Retrieved from http://www.forbes.com/japan-billionaires/

*4 WHO. WORLD HEALTH STATISTICS 2015. Retrieved from http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/170250/1/9789240694439_eng.pdf?ua=1&ua=1

Comment

  1. […] 前回は「時間とお金の類似性」について見ていきました。今回は、その類似性から、お金に対する把握の仕方を時間に応用していきます。 […]

コメント

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