ブログの多言語化はコストに見合うかよく考えてからにしよう 2016 12/25 Updated 2018.03.10 2016 12/25 Published 2016.12.25 / とど \ この記事を共有 / B! リンクをコピーする ブログの多言語化はコストに見合うかよく考えてからにしよう とど B! リンクをコピーする とどでございます。今日はメリクリでございますね。 サンタさんばかりが目立つ日ですが、イエス・キリストのことも思い出してあげてください。外国の話題ということで、今回は多言語化について語ります。(無理やり) 実はこのブログ、最初の頃に多言語化してました。今考えれば、なんと無茶な、と思う事なんですが、当時はそれが他の人との差別化だ! なんて思ってました。すみません。 多言語化って魅力的な言葉ですが、コストはかなり大きなものです。日本語の記事だって、人が来てくれるように考えるのも一苦労なのに、ましてや英語の記事なんて……思い出すだけで恐ろしい。 そんな失敗談も残しておきます。 目次 1. ターゲットを広げられるという幻想2. 英語が読めることと英語で書けることは別3. 多言語化って訳すだけじゃない4. これを続けるのはむり! って思った5. 多言語化をやめた後の作業6. どうすれば良かったのか7. ちなみに頑張って訳してた時のページはこちら8. 翻訳におすすめな無料で使える校正ツール『Ginger』9. まとめ ターゲットを広げられるという幻想 ブログをやってみると、こうした幻想によく取りつかれます。 インターネットに公開するんだから、世界中の人が読めるようにするのは確かに意味があります。その言語として英語を選ぶのもいいでしょう。 でも、その英語で書いた記事はネイティブが書いたものより役立つの? っていうのは自分で問わないといけません。 日本人が、日本人向けに、日本語で記事を書くのだって大変なんです。英語非ネイティブが、英語ネイティブ向けに、英語で記事を書く、なんてのは想像を絶する大変さです。というか大変でした。 英語が読めることと英語で書けることは別 私、前の仕事で英語のマニュアルを読むことが多かったんです。なので、英語いけるやろ! と調子に乗ってました。すみません。 やってみた感想としては、「読むのと書くのは別」ってこと。 まずとにかく時間がかかる。日本語で書いた記事を直訳するだけでは意味が通らないので、英語圏の人が読んで意味が分かるようにしないといけません。 読む人の文化的な背景も考えないといけないし。 日本語で1記事1, 2時間だとしたら、英語で書くのはその3, 4倍かかりました。1日8時間ブログに何か書くとしたら、日本語オンリーでは4記事、英語でも書くなら2記事くらい。MOTTAINAI! いっぱい書いた方が良いのに、これじゃ遅々として進みません。あ、役立つものって前提ね。 多言語化って訳すだけじゃない 文章の翻訳は多言語化の一部で、本当はブログの見た目とか導線とか、そういったものも対象とする文化圏の人に合わせないといけません。 単純に英語に翻訳するって言っても、読む人はアメリカの人かもしれないし、イギリスの人かもしれない。アメリカ英語とイギリス英語じゃそもそも綴りからして違う単語もあるし。colorとcolourとか。 そんな風に考えていくと、単純に翻訳するだけが多言語化じゃないんです。 これを続けるのはむり! って思った 日本語で記事を書いて、英語でも書いて。確かに他にやっている人は少ないかもしれません。 ある意味ではランチェスター戦略での差別化とも言えますが、ターゲットに接近していない時点で弱者が取るべき戦略じゃないんですよね。 多言語化を考えるのは、日本で大きなシェアを獲得して、グローバル展開を目指す人々くらいでいいと思います。強者の戦略です。ブログを始めたばかりの名もなき弱者が取ってはいけない戦略でした。 お金を払ってでも翻訳しないといけないレベルの何かが出来たときに、初めて考えましょう。 多言語化をやめた後の作業 多言語化を目論んでいた時は、Wordpressのプラグインである「qTranslate」を使っていました。簡単に多言語化できるので便利なのですが、多言語化をやめた後が大変でした。 このプラグインは、データベースに記事を保存するときに[:ja]とか[:en]を自動的にくっつけて、表示するときに言語を判断しています。 単純にqTranslateを無効化するとどうなるかっていうと、データベースに記録されている[:ja]とか[:en]がそのまま記事に残っちゃうんですよね。 という事は手動で全部修正しないといけないことに。記事だけでなく、カテゴリなどにも残るので、えらいこっちゃでした。 どうすれば良かったのか 多言語化を目論んだことは、時間の面で失敗でした。脇目をふらず、日本語でブログを書いていくのが一番でした。 「とど……とど……。私の声が聞こえますか? 多言語化はいばらの道です。今すぐ日本語に絞るのです」と数か月前の私に言ってあげたい。 ただ、個人的な英語の勉強にはなったので、良しとします。レッツポジティブシンキング。 ちなみに頑張って訳してた時のページはこちら ※2017/1/17追記 これ以上恥を晒すのもどうかと思いましたが、やっぱり失敗の恥ずかしさや悔しさが大きいほどのちの成長につながると思うんです。フィードバックできるポイントを見つけやすいですからね。 という訳で頑張って訳していた頃のページはこちら。『A use case of “Wazamae Library” to study for an exam』私の作ったアプリの使い方、活用例を書いたものです。元のページは『ワザマエ文庫の活用例 1 : テスト対策(学生向け)』です。比べてみると日本に依存した内容がごっそり削られています。 多言語化って、この辺を考えるのが大変なんですよね……。特にアメリカの場合は、州によって学校の年数までも違うので、どの国のどの州の誰に向けて書くかは非常に重要です。 翻訳におすすめな無料で使える校正ツール『Ginger』 ※2017/1/17追記 また、そのとき使っていた文法チェックツールは、無料で使えるWebアプリのGinger 英文チェッカーです。 文章全体を見て判断してくれるので、文意から単語を推測してくれます。まずは自力で英語で書いてみて、それをチェックするという流れで使うといいでしょう。私は自動翻訳を使わない主義なので、このせいで時間かかるんですけどね。 大きな利点として、日本人にありがちなaやtheと言った冠詞の付け忘れ、複数形のし忘れなどをちゃんとチェックしてくれるのが助かります。日本語だとあまり区別されないのでしょうがない気もしますが、英語圏の人に伝えるためには必要なことです。 Sentence Rephraser機能も付いており、自分で入力した文章を別の表現でも言い換えて提案してくれるのが非常に便利。文法チェックをしたときに自動で候補を出してくれるので、校正後の文章と見比べることも可能です。同じような表現が並んでしまった場合に、この機能で表示される表現を使ってみるといいと思います。 一度にチェックする量が多いと「多いよー」と言われるので、1, 2文ずつコピペしてチェックしてもらうのがおすすめです。その方がどこを直すのか分かりやすいですし。 まとめ 多言語化を目論んで失敗したときの話でした。英語が超得意! とかでなければ、安易に翻訳には手を出さない方がいい、と身をもって実感しました。 コストに見合うだけの何かがあるときに考えると良いと思います。でもって、ネイティブの翻訳者の協力を得るのがおすすめ。どうしても自分でやらないといけないときは、校正ツールを使うと相手にも伝わる可能性が高くなります。