
「時間の投資に関する提案」で述べた自動化の例を考えてみたいと思います。

最近では自動車の自動運転なんていう重ね言葉みたいな概念がこぞって研究されていますが、今何かしている作業を機械や別のもの(もしくは人)に任せることが出来れば、あなたが使える時間は格段に増えます。
自動化とは
まるであなた自身が機械になってしまうかのような言葉ですが、「意識しないでできるようになること」を自動化と呼ぶことにしましょう。
ポイントは、意識しないで、という点です。頭を使わないように、という考え方は手順化と似ています。
例を挙げるとすれば、慣れたゲームの操作時に、コントローラの何のボタンを押しているか意識しないことと同じイメージです。Bボタンでチャージしつつ、↓ + A ボタンでスライディングする、なんていう操作も、慣れてくれば無意識のうちに行っているはずです。ゲームのやり始めは操作方法を覚えるために四苦八苦していても、2, 3時間も経てば、息をするのと同じように操作を行うことができるのです。
これと同じことが、人間の体に関しても行われます。「時間の投資に関する提案」のページで挙げた水泳や自転車の例がまさにそれです。何度も同じ行動を繰り返すことによって、無意識のうちに行えるようになるのです。
どこで使えばいいのでしょう
例えばあなたが資格試験を受けようとしているならば有効でしょう。答えを見ながらでも、問題の解き方を繰り返すことによって、自然に問題が解けるようになります。これは、学生時代、わからない問題があったらまず答えを見よ、と言われたことに通じますね。(私の学校だけ?)
答えと解き方を見て、それと同じことを繰り返す、これによって、体が解き方を覚えるのです。人間は繰り返しによって行動が強化されていくので、この方法はかなり有効です。
ある種、自分の行動をプログラミングし、繰り返し実行することにも似ています。
プログラミングでいえば、あなたのお仕事の一部をプログラミングしてしまうことも立派な自動化です。例えば、Excelのデータ処理を手で行っていたものを、マクロを組んでボタン一つで処理する、というのも自動化ですね。
Excelの全体のフォントを整えるマクロを作成するのも自動化ですし、提出するExcelファイルなら、全てのシートで左上のセルを選択した状態にするのも自動化です。IT系で働く人にとっては、業務システムの構築による自動化など、馴染み深いものかもしれません。
訓練による行動の自動化も、プログラミングによる自動化も、その行動を行うのは無意識的である点が共通しています。
メリット
メリットは以下の点が考えられます。
- 意識することなく行動できるので、その分別のことを考えることができる
- 時間が短縮される
前者については、ゲームでいうところのパッシブスキルと同じイメージですね。勝手に発動するスキルです。ペルソナで言えばオートカウンタとかそのあたり。
現実の例を挙げると、もしあなたが平泳ぎで泳ぎながら、その日の夕食のことを考えられるのであれば、水泳のスキルは自動化されたと言っていいでしょう。
時間短縮に関して言えば、特にプログラミングの場合、ボタンひとつで処理が完了するようにできるため、自動化の恩恵は大きなものになるでしょう。今やサーバーのインストール、初期設定なども自動化できるツールもあるので、もしかしたらあなたもその恩恵を受けているかもしれませんね。
デメリット
こちらもデメリットを考えてみると、
- 人間の行動を自動化する場合、繰り返し練習・訓練が必要
- プログラミングの場合は、プログラムを作成するための時間が必要
- 間違えてはいけない行動の場合、ミスを生む可能性がある
という点があります。
上の2点については、時間が必要、という部分です。ここは手順化と共通するところがあります。最後の点は、「慣れはミスを生む」という言葉があるように、意識しないで行動することによって、逆に危険を生んでしまうこともある、というものです。
例えば、これは極端な例ですが、社内の検証サーバの配線に慣れた人が、データセンターにあるラックの配線を無意識のうちにいじってしまったり……といったミスが生まれます。ゲームの例であれば、移動するときにスライディングする癖がつきすぎて、穴の手前でもスライディングしてしまう、といったミスでしょうか。ティウンティウン。
ここから言えるのは、確認が必要な作業は向いていない、ということです。特に安全に配慮しなければいけない作業などに対してはおすすめできません。それとは逆に、自分の勉強や技術など、自分や他人の安全面に影響を及ぼさない行動であれば自動化は有効です。勉強、事務処理などには特に有効に働くでしょう。
まとめ
練習や訓練によって、人間の行動を自動化することができます。また、プログラミングを行うことによって、コンピュータの力を借りて自動的にデータを処理することもできるでしょう。考えることが多い場合、多くの仕事をこなさなければならない場合において、自動化は有効に働きます。